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Linuxのマニュアルページ表示コマンドmanの解説

      2020/06/09

Linuxのマニュアルページ表示コマンドmanの解説

 

Linuxのオンラインマニュアルを表示する manコマンド

 
Linuxには、実行するコマンドの記述の方法やオプションの設定方法などを解説してくれるオンラインマニュアルページが用意されています。
 
このマニュアルページを表示するコマンドが「man」です。
書くまでもないと思いますが、「manual」の略です。
 
 

manコマンドの基本形

 
基本形は以下になります。
 

 
 
manコマンドの使用例は以下のようになります。
 

 
 
このコマンドを実行すると、「cp」のオンラインマニュアルのページが表示されます。
 
Linuxのマニュアルページ表示コマンドmanの解説
 
manコマンドを使用して表示されるオンラインマニュアルは、「less」という 1画面ずつ表示するコマンドを使って表示されます。
 
そのため、表示されるオンラインマニュアルは、lessコマンドの操作キーを利用して操作します。
 
 

lessコマンドの主な操作キー

 
manコマンドで表示されるマニュアルは下記のキー操作で操作をすることができます。
 

操作キー 動作の説明
下矢印(↓)、jキー、Enterキー 下方向に 1行スクロール
上矢印(↑)、kキー 上方向に 1行スクロール
fキー、スペースキー 下方向に 1画面スクロール
bキー 上方向に 1画面スクロール
qキー 終了

 
lessコマンドの詳しい使い方については下記の記事を参照してください。
less、moreはページャー、ファイルの中身を表示するLinuxのコマンド
 
 

オンラインマニュアルの 9区分

 
オンラインマニュアルを表示すると、1行目に「cp(1)」と表示されています。
 
この「(1)」は表示したマニュアルのコマンドがどのようなコマンドであるのか、を区分する数値となっています。
 
Linuxのオンラインマニュアルには下記の 9区分あります。
 
1.ユーザーコマンド
2.システムコール(カーネルの機能を使うための関数)
3.ライブラリ(C言語の関数)
4.デバイスファイル(/dev 以下にあるファイル)
5.設定ファイル
6.ゲーム
7.その他
8.システム管理コマンド(root権限で実行するコマンド)
9.Linux独自のカーネル用ドキュメント
 
「cp」は「(1)」と表示されますので、「ユーザーコマンド」であることが分かります。
 
 

オンラインマニュアルの見出し

 
オンラインマニュアルには説明の前に下記の見出しがついています。
それぞれ以下の内容となります。
 

見出し 説明
NAME(名前) コマンドやファイルの名前と簡単な説明
SYNOPSIS(書式) 書式(オプションや引数)
DESCRIPTION(説明) 詳細な説明
OPTION(オプション) 指定できるオプションの説明
FILES(ファイル) 設定ファイルなど関連するファイル
ENVIRONMENT(環境変数) 関連する環境変数
NOTES(注意) その他の注意事項
BUGS(バグ) 既知の不具合
SEE ALSO(関連項目) 関連項目
AUTHOR(著者) プログラムやドキュメントの著者

 
 

manコマンドのオプション

 
「man」コマンドには下記のオプションがあります。
 

オプション 説明
-a すべてのセクションのマニュアルを表示する
-f 指定されたキーワードを完全一致でマニュアルを検索する
-k 指定されたキーワードを部分一致でマニュアルを検索する
-w マニュアルが置かれているディレクトリを表示する

 
 

「man -a」ですべてのセクションのマニュアルを表示

 
「-a」オプションは、同一コマンド名で複数のマニュアルがヒットする場合、それらのマニュアルを連続して表示していくためのオプションです。
 

 
例えば、上記では「passwd」を例にとりマニュアルを表示させています。
 
コマンドを検索する「whatis」コマンドで「passwd」を検索すると 2つのマニュアルがヒットします。
 
これを「-a」オプションを付けて表示すると、2つのマニュアルを連続して表示します。
まず始めに、1つめの「passwd (1)」を開き、それを閉じたら次は「sslpasswd (1ssl)」を開く、と言う流れになります。
 
1つめの「passwd (1)」閉じたときに、上記のメッセージとして表示されているように「return」を押せば次のマニュアルを表示し、「Ctrl+D」を押せば次のマニュアルはスキップし、「Ctlr+C」を押せばそこで表示は終了します。
 
 
ちなみに、コマンド名で検索して、1つのマニュアルしかヒットしない場合は「-a」オプションを付けて、付けなかった場合と同じ動作になります。
 
 

「man -f」「man -k」は「whatis」「apropos」と同等の検索可能

 
マニュアルを表示表示する「man」コマンドにもマニュアルを検索するオプションがあります。
 
Linuxのコマンドの情報を調べるwhich、whereis、whatis、apropos、man
上記の記事では、マニュアルを検索するコマンドとして「whatis」「apropos」を紹介しましたが、「man」コマンドでもオプションを指定することで同様の検索機能を利用することが出来ます。
 
オプション「-f」で完全一致検索、「-k」で部分一致検索となります。
「man -f」は「whatis」と同等の機能で、「man -k」は「apropos」と同等の機能になります。(man、whatis、aproposの各コマンドでの検索は、いずれも whatisデータベースを参照します。)
 
具体的な使い方も同様で、それぞれ下記の様に記述します。
 

 
 
また、「man -f」「man -k」「whatis」「apropos」の各コマンドでの検索は、「whatisデータベース」と呼ばれるマニュアルの索引データベースを対象に検索を行います。
 
そのため、コマンドを新しく追加したときは、この「whatisデータベース」も合わせて更新する必要があります。
 
「whatisデータベース」を更新するコマンドが「makewhatis」「mandb」なのですが、これについては下記に記事を書いていますので、こちらを参考にしてください。
makewhatis、mandbコマンドでLinuxのオンラインマニュアル索引情報を更新
 
 

オンラインマニュアルファイルの保存場所

 
オンラインマニュアルは、一般的には下記の場所に保存されています。
 

 
ディストリビューションに含まれているパッケージをインストールした場合は、標準的には前者の「/usr/share/man」に設置されます。
また、ディストリビューションに含まれていないソフトなどをネットなどから取得してインストールした場合は後者のディレクトリに設置されます。
 
 
マニュアルの設置場所を調べる場合は「Whereis」コマンドを使用します。
 

 
 
Whereisコマンドについては下記に記事を書いていますので、参考にしてください。
Linuxのコマンドの情報を調べるwhich、whereis、whatis、apropos、man

 - Linuxコマンド

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