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Google Code Prettifyの設定方法を解説。 Syntax Highlighterから乗換え、高速化にも最適

      2017/04/29

Google Code Prettifyでソースコードをきれいに編集

 

Google Code Prettifyとは?

 
Google Code Prettifyは、Googleが提供をしているシンタックスハイライトです。
シンタックスハイライトとは、プログラムや HTMLのソースコードのコマンドや変数などに色を付けて見やすく編集してくれるツールです。
 
WordPressのプラグインでは Crayon Syntax Highlighterが有名で、私もこの記事を書いている時点では使っていましたが、画面表示のスピードに悪影響を与えていることから今回 Google Code Prettifyに乗り換えられるのか実験をしてみました。
 
詳しい経緯は最後の「Crayon Syntax Highlighterから Google Code Prettifyに乗り換える経緯」に書いていますので、参考にしてみてください。
 
というわけで、Google Code Prettifyを設置、カスタマイズするための記事です。
 
 

Google Code Prettifyの設置方法

 

Google Code Prettifyの設置方法は2つ

 
Google Code Prettifyの設置方法は 2つあります。
 
 設置方法1.オートローダーを使って簡単設置
 設置方法2.ファイルを取得しカスタマイズ設置
 
設置方法1のメリットは、とにかく簡単に設置できる点です。
ただ、デザインなどのカスタマイズはできません。
デザインをカスタマイズしたい場合は、設置方法2になります。
 
設置方法2のメリットは、カスタマイズができる点と、自サーバ上にファイルを置きますので圧縮送信(mod_deflate)の対象ファイルになる点です。
「圧縮送信(mod_deflate)」については「SEO対策!.htaccessのmod_deflateでファイル圧縮送信で高速化」を参考にしてください。
 
設置方法1で設置して Google Code Prettifyの使い勝手を試してみて、よさそうであれば設置方法2で自分の好みでカスタマイズして本格的に設定をしてみるのもいいかもしれませんね。
 
 
ちなみに、下記の URLにある Google Code Prettifyの「Getting Started」ページを一読してみることをおススメします。
 https://code.google.com/p/google-code-prettify/wiki/GettingStarted
 
英語ですが、サンプルソースコードを見るだけでも役に立つんじゃないかと思います。
 
 


 
 

設置方法1.オートローダーを使って簡単設置

 

JavaScriptを設置

 
HTMLの headタグの中に下記の 1行を追加するだけで OKです。

 
WordPressの場合は、下記の header.phpに記載します。
 /wp-content/themes/{テーマフォルダ}/header.php
 
 
デフォルトのデザインから変更したい場合は、下記のように「?skin=desert」の部分を追加すれば OKです。

 
デザインは、下記のオフィシャルページから選択します。種類は多くないですが...
 http://google-code-prettify.googlecode.com/svn/trunk/styles/index.html
 
 
また、言語を指定する場合は、「?lang=css」の部分を追加すれば OKです。言語を指定しない場合は、自動的に判断されて編集されます。

 
 
「lang=css」と「skin=desert」の 2つを指定する場合は「?lang=css&skin=desert」のように「&」でつなげます。どちらを先に書いても問題ありません。

 
 
その他「autoload=(true | false)」「callback=js_ident」が設定できるようですが、詳しくは「Getting Started」を見てみてください。
 
 

ハイライトする箇所の指定

 
JavaScriptの設定を行ったら、次はハイライトする箇所を指定します。指定は「<pre class=”prettyprint”> …… </pre>」で囲みます。
具体的には以下のような感じです(</pre>の<は全角になっています)。
 

 
行番号を表示したい場合は、クラスに「linenums」を追加します。

 
行番号を任意の番号から始めたい場合は、「linnums」の後に「:(コロン)」と行番号を指定します。例えば 11行から始めたい場合は以下のようになります。

 
これで、「設置方法1.オートローダーを使って簡単設置」の対応は終了です。
 
 
 

設置方法2.ファイルを取得しカスタマイズ設置

 

必要ファイルのダウンロード

 
下記サイトから必要なファイルをダウンロードします。
 https://code.google.com/p/google-code-prettify/downloads/list
 
・prettify-small-4-Mar-2013.tar.bz2:ミニサイズ版
・prettify-4-Mar-2013.tar.bz2:通常版
 
ファイルは 2セットありますが、処理内容は同じです。
 
ミニサイズ版は処理スピード等を考慮してコンパクト仕様になっています。
通常版で設置確認とカスタマイズを試してみて、動作確認とカスタマイズ内容が確認できたら、それをミニサイズ版に反映させて実運用をする、という使い方がいいでしょう。
 
ちなみに、「.tar.bz2」形式の圧縮ファイルは Windowsのデフォルトの機能では解凍できませんので、Lhaplusなどを利用するといいんじゃないかと思います。
 http://www.forest.impress.co.jp/library/software/lhaplus/
 
 
解凍したファイルのうち、必要なファイルは下記 2ファイルです。
 /src/prettify.js
 /src/prettify.css
 
これをサーバにアップします。
 
WordPressの場合は、下記のような感じで設置します。
 /wp-content/themes/{テーマフォルダ}/src/prettify.js
 /wp-content/themes/{テーマフォルダ}/src/prettify.css
 
設置する場所は JavaScriptと CSSが呼び出せる場所であればどこでもOKですが、私はテーマが使っているものと分けた方が分かりやすいと判断し「src」フォルダを作ってその中に入れました。
 
解凍した「src」フォルダの中にある「prettify.js」「prettify.css」以外の「lang-css.js」などのファイルは必要に応じて追加をしてください。
言語によってハイライトする特徴が違いますので、「lang-css.js」などを追加するごとにより特徴あるハイライト処理がされます。
ただ、その分ソースコードが長くなり、処理が重くなっていきますので必要なものだけ選択するといいでしょう。
 
 

JavaScript、CSSを設置

 
JavaScriptと CSSの設置は HTMLの headタグの中(<head>~</head>)に下記のスクリプトをコピペするだけで OKです。
 
WordPressの場合は、下記の header.phpに追加します。
 /wp-content/themes/{テーマフォルダ}/header.php
 

 
上記の「<?php echo get_template_directory_uri(); ?>」の部分は、WordPressの場合の記述の方法ですので、WordPress以外の場合は、それぞれのサイトにあったパス(URL、相対パス)を編集してください。
 
また、先ほど話をした「lang-css.js」を追加する場合は、下記のように .jsを追加していきます。
 

 
もしくは、「lang-css.js」ファイルの中に書かれているソースコードを「prettify.js」ファイルの中にコピペして追加する方法でも OKです。
2ファイルを読み込むよりもコピペして 1ファイルにまとめる方が理論上は高速処理されます。
 
 

ハイライトする箇所の指定

 
ハイライトする箇所の指定は「<pre class=”prettyprint”> …… </pre>」で囲みます。
これは「設置方法1.オートローダーを使って簡単設置」と同じです。
 

 
ただし、「JavaScript、CSSを設置」のところで下記のコードを書いていますので、「<pre>タグ」には自動的に「prettyprint」が付与されるようになっています。

 
そのため、下記のように「<pre> …… </pre>」だけで OKになっています。

 
「<pre>タグ」をシンタックスハイライト以外でも使うことがあり、自動的にシンタックスハイライトを実行させたくない場合は、上記の 「$("pre").addClass("prettyprint");」の行を削除してください。
 
 
また、逆に、常に行番号を表示したい場合は、下記の様に「addClass」に「linenums」も追記することで常に行番号が表示されるようになります。

$("pre").addClass("prettyprint linenums");

 
これで、「設置方法2.ファイルを取得しカスタマイズ設置」の対応は終了です。
デザインなどをカスタマイズしたい場合は続きも確認してみてください。
 
 

デザインをカスタマイズ・行番号

 
デザインによっては、行番号が 5行ごとにしか表示されないものもあります。
すべての行を表示したい場合は、下記のように対応を行います。
 
デフォルトの「prettify.css」の場合は、46行目に下記の行にある「list-style-type: none」を削除します。(39行目の「li.L0,」から 46行目の「li.L8 { list-style-type: none }」までをまるっと削除しても OKです。
 

li.L8 { list-style-type: none }
   ↓
li.L8 { }

 
 
また、表示させた行番号の桁が欠けて表示される場合は、35行目にある「padding: 2px;」を修正します。数値は好みに合わせて変更してください。

pre.prettyprint { padding: 2px; border: 1px solid #888 }
              ↓
pre.prettyprint { padding: 10px; border: 1px solid #888 }

 
 

デザインをカスタマイズ・行間の調整

 
このエス技研ブログで使用しているテーマの「STINGER5」ですは、行間がゆったり目の作りになっています。
その行間をソースコードの部分だけ調整をしたいという場合には、下記のように「pre.prettyprint」の行に「line-height: 100%;」を追加します。
 

pre.prettyprint { padding: 2px; border: 1px solid #888 }
                              ↓
pre.prettyprint { padding: 2px; border: 1px solid #888; line-height: 100%; }

 
「line-height」の指定は、上記のように「100%」と割合で編集する方法と下記のように値を指定する方法があります。詳しくは CSSの設定をググってください。
line-height: 1.5em;
line-height: 20px;
line-height: 1.4;
 
ただし、行番号の表示を設定すると、「line-height」の設定が無視されます。
 
行番号を指定する「ol」「li」のスタイル指定が影響していると思われますが、行番号を表示したうえでさらに行間を調整する方法は確認できていません...
誰か教えてください!
 
 

デザインをカスタマイズ・横スクロールバーを表示

 
テーマによっては、「<pre>タグ」で囲んだソースコードが画面の右端で改行される場合があります。
また、FireFox、Chromeではスクロールバーが出ていますが、InternetExplorerでは出ていない、という場合もあります。
 
これは、Google Code Prettifyの設定ではなく、サイト全体のスタイルシートの設定に原因がありますので、全体のスタイルシートを修正します。
WordPressの場合は、「style.css」を修正します(/wp-content/themes/{テーマフォルダ}/src/style.css)。
 
STINGER5の場合は、23行目辺りにある bodyの設定ですが、「word-wrap」の「break-word」を「normal」に修正します。
 

word-wrap: break-word;
      ↓
word-wrap: normal;

 
これでスクロールバーが表示されるようになります。
 
 


 
 

Crayon Syntax Highlighterから Google Code Prettifyに乗り換える経緯

 

Crayon Syntax Highlighterはとにかく重い

 
Crayon Syntax Highlighterをどうにかしなければ、と感じたのはサイトの表示スピードを向上させるための施策を行っているときでした。
 
表示スピードアップに貢献!P3(Plugin Performance Profiler)で負荷が高いプラグインを調査」の記事にも書いていますが、P3(Plugin Performance Profiler)というプラグインの負荷状況を調べるツールを使って調べて見たところ、Crayonが突出した悪影響を与えていることが分かりました。
 
具体的には下記の通りです。
 
20150501_wp_01
 
そんなわけで、他の施策をするより Crayon Syntax Highlighterの使用を止める方が効果が高く、優先度が高いと判断したわけです。
 
また、PageSpeed Insightsの結果は以下のようになっています。
 
20150501_wp_02
 
 http://blog.s-giken.net/
       元   停止後   Google Code Prettifyを実装
  モバイル 61 →  62  →  64
  パソコン 74 →  74  →  77

 
 http://blog.s-giken.net/209.html
       元   停止後   Google Code Prettifyを実装
  モバイル 57 →  57  →  58
  パソコン 74 →  74  →  75

 
 http://blog.s-giken.net/218.html
       元   停止後   Google Code Prettifyを実装
  モバイル 59 →  59  →  59
  パソコン 75 →  76  →  76

 
highlight.jsで実験した際に大きくスピードの向上が見られたために Crayonの負荷が非常に高いものと思っていましたが、この結果からはそれほど Crayonの負荷が高いとは言い切れないような状況です。
ただ、Crayonを使っていないときの方が速い数値がでる場合もあり、そのバラツキの影響で Google Code Prettifyを使う方が使わないときよりいい値になっている場合もありました。
ちなみに、上記の値は 6回計測した上での最頻値になります。
 
 

Google Code Prettifyと highlight.js

 
Crayon Syntax Highlighterの代替案として検討したものは下記の 2つです。
 Google Code Prettify
 highlight.js
 
highlight.jsを使ってみた感じは「highlight.jsの設定方法を解説。 Syntax Highlighterから乗換え、高速化にも最適」に記事を書いていますが、highlight.jsと Google Code Prettifyを比較してみてどっちがいいかって、ぶっちゃけどっちでも大差なくどっちでもいいやって感じです。
 
「ここにソースコードが書いてあるな」って分かれば、あとは「関数、変数風のところに適当に色が付いていればいいんじゃないかな?」って感じてます。
このエス技研ブログの場合、そんなに長いソースコードも書いてないですし、コピペで何とかなるくらいの内容ですから。
 
とはいえ、Google Code Prettifyの方が行数が表示できるところは私にとってポイントが高いですね。
ソースコードの説明をするのに「○○○○の 5行目の○○○を...」と言った感じで書きますので、その時に行番号が出てると読む側は分かりやすいんじゃないかな、と。
 
ただ、highlight.jsの記事にも書いていますが、Google Code Prettifyもソースコードをキレイに色分けしてくれるだけのツールですので、HTMLのタグや PHPのタグ(<?php)などはそのまま処理されてしまいますので、記事を書くときにはそれらの変換は必要です。
そのため、Crayonから Google Code Prettifyに乗り換えるためには記事の中に書いている HTMLなどのソースコードを修正する必要があり、乗り換えの手間はかなりの時間を要することになりますね。
 
 

シンタックスハイライトの関連記事

 
シンタックスハイライトの乗り換えに当たって、複数のツールを試してみています。
そのまとめ記事として下記の記事を書いています。
 シンタックスハイライトの5システム比較のまとめ・WordPressでも使える
 
また、個別記事として下記の記事を書いています。
 WordPressのCrayon Syntax Highlighterの使い方
 SyntaxHighlighterの設定、カスタマイズ方法を解説。Crayonから乗換え、高速化にも最適
 highlight.jsの設定方法を解説。 Syntax Highlighterから乗換え、高速化にも最適

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