UPS無停電電源装置の鉛蓄電池式バッテリーの廃棄処分はビックカメラに持っていけばOK
2019/02/26
UPS(無停電電源装置)の破棄は
年末年始の帰省から戻ってくると UPSが故障していた
年末年始は実家で過ごして、1月3日に自宅に帰ってきました。
そして、玄関のドアを開けて聞こえてきたのは「ピーーーー」というアラームの音。
大きな音ではないけれど、明らかに何かの警告音であることが分かる音でした。
最初、冷蔵庫の扉が開きっぱなしだったのか?と思いました。
次に頭に浮かんだのは、ガス感知器。
どちらが鳴っていても大きな問題があるわけですが、音の発信元はキッチンではありませんでした。
音が出ている場所は、リビングのパソコンがある辺り。
そう、アラーム音の発信源は UPS(無停電電源装置)だったのです。
APC製の EC500という製品です。
この製品は、現在すでに製造中止していますが、UPSは APC製が安心ですね。
UPS(無停電電源装置)とは?
UPSは、「無停電電源装置」とも呼ばれるもので、停電などが発生したときでも電源を供給し続けて、サーバやパソコンのハードウェアやデータの故障、損失を防ぐことを防ぐことを目的とした装置です。
個人がパソコンを使うときに利用することはほとんどありませんが、サーバ用のマシンには必須の装置とも言えます。
データセンターなどでは、UPS(無停電電源装置)に加え、自家発電の装置を備えていて、停電時には自家発電機から電源を供給することによって継続可動できるようになっています。
個人向けに販売されている UPSは、停電が発生してもパソコンを継続して使用し続けるようにすることを目的としたものではなく、停電が発生した場合は速やかにデータを保存し、パソコンの使用を終了させる間の電気を供給することを目的としています。(突然電源がなくなることで、作業中のデータが消えることを防ぐことを目的としたものです。)
そのため、UPSで電源を供給できるのは数分から 30分程度のものがほとんどです。
最近はこんな感じの UPS(無停電電源装置)が人気のようです。
UPS(無停電電源装置)を購入した目的
そんな UPSがなぜ我が家にあるのか。
UPSを購入した当時に住んでいたマンションは築年数が古く、契約電流を 30Aより大きなものにできなかったため、ブレーカーが落ちることも少なくありませんでした。
パソコンを使用中にブレーカーが落ち、データが消失するということも発生したため、その対策として UPSを導入することにしたわけです。
本来的には、台風や落雷などによる停電を想定するものなのだろうと思いますが、当時の我が家では電子レンジやヒーターを使ったときなどの電気の使いすぎによる停電の対策として、というものでした。
その後、引っ越しをして、現在住んでいるところは契約電流を上げることができたため、パソコンが置いてある部屋のブレーカーが落ちることはなくなり、UPSが起動することは一度も発生しませんでした。
それから、時は流れ、UPSの存在も空気のような存在になっていましたが、この年末年始に電池が寿命を迎え、断末魔を上げた、ということのようでした。
まぁ、買ったのは 13年くらい前のことなので長寿を全うしたという状況です。
玄関を開けるとアラームが鳴り響いている、というのはあまり気持ちがいいものではありませんでしたが、妻だけのとき(僕がいないとき)にこの音がなっていたら、妻は慌てふためいたと思いますので、タイミングを選んでくれたと前向きに考えるべきなんだろうな、と思っています。
一般家庭では UPSより雷サージ対応の電源タップで十分
以前住んでいたところでやすごく役に立った UPSでした。
UPSが故障したことが分かってからしばらくは、UPSを買い換える必要があると考えて UPSの価格調査を始めました。
ですが、ふと、「あれ?なんで UPSを買ったんだっけ?」という疑問に行き当たり、この記事を書き始めてから、UPSは必要ないのではないか、と思い至りました。
かつての我々家のように、頻繁にブレーカーが落ちるような場合は UPSが必要だと思いますが、そうでない場合は、電源周りでパソコンへの影響を考える場合に対策すべき点は雷による過電流だと思います。
そのため、パソコンやテレビなど高価な家電を接続する家電には雷サージの対策が施されている電源タップを使うといいでしょう。
雷サージとは?
「雷サージ」は、「らいサージ」「かみなりサージ」と呼ばれ、雷が落ちたときに発生する瞬間的な高電圧が原因となる異常な過電流のことを言います。
雷が落ちて発生する異常な過電流を防ぎ、家電が故障しないようにした対策が施された電源タップを「雷サージ対応電源タップ」といいます。
ただ、雷サージ対策の電源タップにはブレーカーが内蔵されていて、過電流が発生したときにつないである家電に影響しないよう電源を切る仕組みになっていますので、雷が落ちるとパソコンなどの電源は落ちてしまいます。
雷が落ちたときもパソコンが落ちないようにしたい場合は UPS(無停電電源装置)が必要、ということになります。
UPS(無停電電源装置)は充電池なので普通のゴミとしては捨てられない
しかし、次なる問題点は、不要になった UPSをどうするか、です。
UPSなどの充電池は普通にゴミとして捨てることはできない!からです。
充電池に使用される物質が貴重な資源となることに加え、専門的な取扱ができる場所でないと対応が難しい危険な物質が使われているため、一般的に自治体では回収をしていません。
ニカド電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン電池などの充電池の回収
小型充電式電池は区では回収できません。(新宿区)
http://www.city.shinjuku.lg.jp/kankyo/seiso01_002052.html
自治体によって充電池の回収方法は違っているようですがが、おおよその自治体では回収をしておらず、下記の「一般社団法人JBRC」のサイトから個々人で対応をするように、ということのようです。
一般社団法人JBRC
https://www.jbrc.com/general/
上記のサイトを調べた結果、下記の「『リサイクル協力拠点』検索」のページがあり、この検索ページから充電池を引き取ってくれる小売店などを検索できるようになっていました。
『リサイクル協力拠点』検索
https://www.jbrc.com/general/recycle_kensaku/
https://www.jbrc-sys.com/brsp/a2A/itiran.G01
そして、「東京都 新宿区」で検索してみたところ、ビックカメラやヨドバシカメラもその「リサイクル協力拠点」として登録されていました。
お店に充電池の回収ボックスが置いてあるので、お店まで持っていってその中に充電池を入れる、というだけの簡単仕様です。
プリンタのインクカートリッジをリサイクルボックスに入れるような感覚です。
ただ、ここにも問題がありました。
「一般社団法人JBRC」が回収している充電池は、下記の 3種類。
・ニカド電池(ニッカド電池)
・ニッケル水素電池
・リチウムイオン電池
詳しくは下記参照。
https://www.jbrc.com/general/type/
ですが、我が家の UPSは、電池が「鉛蓄電池」だったのです。
(リーズナブルな UPSは今でも鉛蓄電池が主流のようです。データセンターなどにある高性能な UPSはリチウムイオン電池式も増えているようですが。)
鉛蓄電池...
そんなわけで、「一般社団法人JBRC」の協力をしているお店でも基本的には鉛蓄電池は回収対象外のため、さらに困った状態になってしまったわけです。
鉛蓄電池の回収
鉛蓄電池の回収について調べてみると下記のようなサイトが見つかりました。
一般社団法人 鉛蓄電池再資源化協会(SBRA)
http://www.sbra.or.jp/
でも、こちらの「一般社団法人 鉛蓄電池再資源化協会(SBRA)」は、車やバイクの鉛蓄電池を専門に扱う協会のようで、UPSのバッテリーの回収については特に記載が見当たりませんでした。
そして、さらに調べた結果、下記のようなサイトが見つかりました。
https://www.nanshin.net/products/detail.php?product_id=3777&gclid=Cj0KCQiAhKviBRCNARIsAAGZ7Cdc5UY2WG9yJiYB1H6LyfPnSsJwEm5N8j9Cw9P5k1FT4XU_QR_X8IYaAlVlEALw_wcB
https://www.recycle-izumi.net/tayori/6167/
これらは送料を負担する必要があるものの、処分費用は無料、という感じで鉛蓄電池を引き取って処分してくれる業者のようです。
うーむ。
このまま処分できずに家の中に放置するより、処分できるなら送料が多少かかっても致し方がないか、と思うに至りました。
ちなみに、各サイトを見ていると、鉛蓄電池を運搬してくれる大手の運搬業者は佐川急便だけなんだそうです。
他の運送業者は危険物ということで運搬してくれないのだそうです。(なので、個別の契約としてバイク便などで回収をしに来るような手法を取る場合もあるようです。)
UPSで使われている制御弁式(シール形)の鉛蓄電池はビックカメラで回収してくれる
そんな感じで送料負担くらいは仕方がないか、と思い始めたわけですが、リチウムイオン電池などの充電池の回収を行っているビックカメラとヨドバシカメラに、ダメ元で問い合わせをしてみることにしました。
「鉛蓄電池式の UPSを回収してくれますか?」と。
そうすると、ビックカメラからすぐに返信が来ました。
「土日は業者が休みなので休み明けに業者に確認してご連絡します。」と。
そして、週明けの月曜日のお昼過ぎに OKの連絡が来ました。
「UPSの鉛蓄電池であれば回収できるそうです。
本体からバッテリーを外してバッテリーだけお持ちください。」と。
そんなわけで、UPSの本体からバッテリーを取り外し、鉛充電池の部分だけビックカメラに持っていくことにしました。
(鉛蓄電池を取り出した本体は不燃ゴミとして処分してください、と言うことでした。)
鉛蓄電池はかなりの重さがあり、新宿のビックカメラ(ビックロ)まで行くのは重かったんですが、お店まで持っていくだけで引き取ってもらえるのは確実で安心感がありますね。
UPSの鉛蓄電池はビックカメラで回収してくれるが事前に店舗に確認を
というわけで、UPSの充電池は、鉛蓄電池であっても、リチウムイオン電池、ニカド電池、ニッケル水素電池であっても新宿のビックカメラ(ビックロ)の 1階に持っていって回収ボックスに入れることで処分することができます!
ビックロ ビックカメラ新宿東口店
https://www.biccamera.com/bc/i/shop/shoplist/shop116.jsp
ちなみに、問い合わせのメールのやりとりから、ビックカメラ自体が回収をしているわけではなく、回収している業者が別にあり、ビックカメラは回収場所を提供しているだけ、ということのようです。
そのため、新宿近辺(おそらく、関東近県)は同一事業者が担当しているだろうと思われますので回収してもらえると思いますが、関西、九州など他の地域でも同様の対応をしてもらえるかは分かりません。
そのため、お店に持っていく前に一度問い合わせをして、確認をしたほうがいいでしょう。
ビックカメラの各店舗へのお問い合わせ
https://qa.biccamera.com/faq/show/1607?site_domain=tempo
UPSの重さは鉛蓄電池とトランス(変圧器)による
UPSはかなり重たいです。
何が重たいのだろう、と思っていました。
そんなわけで分解するついでに重さを量ってみました。
UPS本体の総重量は 6.3kgでした。
内訳は、バッテリーが 2.7kg、カバーが 3.6kg。
UPSの重さはほぼ鉛蓄電池の重さだろう、と思っていましたが、鉛蓄電池の重さは半分にも満たない重さで、逆にちょっとオドロキでした。
UPSの本体側で重たかったのは、上の画像の丸で囲んだ「トランス(変圧器)」でした。
UPSの本体側の中身を見てもらって分かると思いますが、本体側の重さは、ほぼこの「トランス(変圧器)」でした。
鉛蓄電池には「制御弁式(シール形)」と「ベント形」がある
UPSの中に中に入っていたのは、下記の GSユアサ製の「PXL12072」でした。
バッテリーだけでも販売されていますので、UPS自体を買い換えるのではなく、このバッテリーだけを買って交換する、と言う方法もあるようです。
また、ビックカメラの回答の中に「UPSの蓄電池では OK」とあったため、鉛蓄電池について調べてみると、下記のように「シール形(制御弁式)」と「ベント形」とある事が分かりました。
鉛蓄電池 構造の種類 -ベント形とシール形(制御弁式)
https://www.infuse-net.com/articles/articles008.html
「ベント形」と呼ばれるものは、自動車やバイクなどに使われている鉛蓄電池(いわゆるバッテリー)で、中に電解液が入っているものです。
最近は、ベント形の鉛蓄電池もメンテナンスフリーになっていて、バッテリーの電解液を追加することはないのですが、電解液が減ってきたらそれを追加して性能を維持することができるようになっています。
そのような構造であるため、横に向けたり逆さにしたりすると電解液が漏れ出し、危険です。
そのため、多くの運送業者は鉛蓄電池を危険物として運搬を行っていないのだろうと考えられます。
逆に、UPSに使われている鉛蓄電池は「制御弁式(シール形)」と呼ばれるもので、電解液のような液体状のものはなく、完全に密閉した状態の電池です。
そのため、安全に運搬することができるため、リチウムイオン電池やニカド電池などと同じく回収することは問題ない、と言う判断をしているのだろうと考えられます。
以上のことから、UPSなどに使われている「制御弁式(シール形)」の鉛蓄電池は回収可能ですが、自動車やバイクに使われている「ベント形(液式電池)」は、それ専用の手続きを踏んで回収の依頼をしてください、と言うことなのだろうと判断しました。
UPSの鉛蓄電池の回収に関してのあとがき
UPSの鉛蓄電池を回収してもらえるかどうかの質問ですが、ヨドバシカメラにも問い合わせをしてました。
しかも 2回。
1回目は返答がなく、2回目は「自動車等の鉛蓄電池であれば、自動車販売店での回収となります。」という回答が来ました。
問い合わせのメールには、「自宅で使っていた UPS(鉛蓄電池式)の処分をしたいのですが」と書いていましたが、「UPS」が何のことか理解できなかったんでしょう。
家電量販店の担当者なので UPSくらい知っていて欲しい、とも思いはするものの、知らないことがある事は仕方がありません。
ですが、UPSくらいネットで調べればすぐ出てきますので、それくらい調べて欲しかったなぁ、と思わずにいられませんでした。
ビックカメラへの問い合わせは、「土日は業者がお休みで...」とすぐに一度返信が来たこともあり、その対応との差が大きく見えたやりとりでした。
おそらく、ビックカメラとのやりとりから考えると、ヨドバシカメラのバッテリー回収ボックスでも、「制御弁式(シール形)」の鉛蓄電池であれば回収してもらえるとは思いますが...
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