エス技研

WordPress、CakePHP、PHP、baserCMSなどの Web系システムを中心に情報を提供します!


PHPで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などの算出はDateTimeImmutableを使う

   

PHPで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などの算出はDateTimeImmutableを使う

 
プログラムを作成する際に、下記のような特定の条件に基づいて日付を算出する場合があるかと思います。
・先月の 1日
・来月の月末
・1ヵ月前の日付
 
CakePHP4のFrozenDateで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などを算出する方法
上記の記事では CakePHP4での処理方法を紹介しました。
CakePHP4には「FrozenTime」「FrozenDate」という便利な関数が用意されていますので、これを使用すると簡単に算出することができます、と。
 
この記事では、CakePHPで用意された関数ではなく、PHP自体の関数ではどう対応するのか、それを紹介します。
 
ずばり、PHPでは「DateTimeImmutable」を使用します。
 
PHP公式 DateTimeImmutable
https://www.php.net/manual/ja/datetimeimmutable.construct.php
 
 

DateTimeImmutableは日付のオブジェクトを生成する

 
「DateTimeImmutable」は日付のオブジェクトを生成します。
 
 

DateTimeImmutableの基本形:現在日時を取得

 

 
出力した結果は下記のようになります。
 

 
現在日時を取得する際は「DateTimeImmutable()」のパラメータに「now」を指定していますが、パラメータがない場合は「now」が指定されたものとして現在日時を取得します。
 
 

DateTimeImmutableで取得した日時のオブジェクトをmodifyを利用して希望の日時を取得する

 
「DateTimeImmutable」で取得した日時のオブジェクトを「modify」を利用して希望の日時を取得する方法は下記となります。
 

 
上記の方法で現在日時を基準として、「今月末の日付」を取得することができます。
 
 
「今月末の日付」を取得する場合は「last day of this month」を指定しますが、「今月の初日」の場合は「first day of this month」を指定します。
 
その他、多様な指定方法がありますが、指定方法は CakePHPと同じですので、下記の記事を参照してください。
CakePHP4のFrozenDateで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などを算出する方法
 
 

「現在日時」を基準に「DateTimeImmutable」を使用する場合は直接指定する方法もある

 
前項では、「DateTimeImmutable」で取得した日時のオブジェクトをmodifyを利用して変換する方法を取りました。
 
しかし、「現在日時」を基準に今月末が分かればいい、という場合は下記のように「DateTimeImmutable」に直接指定する方法もあります。
 

 
 

指定した「日時」を基準に「DateTimeImmutable」+「modify」を使用する方法もある

 
前項では「現在日時」を基準に処理する方法でしたが、指定した「日時」を基準にする場合は、最初に指定した日時のオブジェクトを作成し、それに対して modifyを指定する方法があります。
 

 
 
ちなみに、上記も下記のように 1行で処理することもできます。
 

 
 

日時のオブジェクトは「format()」を使用して表示

 
最後になりましたが、日時のオブジェクトを表示する場合は、「format()」を使用して表示したいフォーマットに変換することができます。
 

 
 
ちなみに「$today」に値が入っていない場合はエラーとなりますので、「$today」に値が入っていない可能性がある場合は、下記のように値があるか否かの判定をする処理を追加しておくことをオススメします。
 

 
 
フォーマットとして指定するパラメータの詳細は下記を参照してください。
PHPオフィシャル DateTime::format
https://www.php.net/manual/ja/datetime.format.php
 
 

DateTimeImmutable と DateTime の違い

 
PHPには、日時のオブジェクトを生成する関数として「DateTimeImmutable」と「DateTime」が用意されています。
どちらも同じようなメソッドが利用できて、同じように使用することができます。
 
違いは「DateTimeImmutable」には「Immutable(不変)」と付いているように、生成されたオブジェクトは「不変」ということです。
 
その違いが分かる具体的な処理は「modify」を使用したときに現れます。
 
 
「DateTimeImmutable」を使用した場合

 
 
「DateTime」を使用した場合

 
上記のように、「modify('+1 day')」を実行すると、「DateTimeImmutable」の方の「$dateImmutable」の日時は変更されませんが、「DateTime」の方の「$dateDateTime」の日時は「+1 day」されて、「$dateDateTime2」と同じ値になっています。
 
つまり、変わる「DateTime」と、不変の「DateTimeImmutable」というワケです。
 
この仕様を理解したうえで、活用するために「DateTime」を使用するのであれば問題ないですが、無用なバグ混入を避けるためには「DateTimeImmutable」を使っておく方が無難だと思いますね。
特に複数人で開発を行う場合は、全員にこの理解が求められますので。
 
 

PHPでは月末に対して実行する「+1 month」は想定の結果にならない場合がある

 
PHPでは月末日を基準として「+1 month」を実行したとき、想定した結果にならない場合があるようです。
これはバグではなく、PHPの仕様だ!ということのようで、PHPで日付を扱う場合はしっかりと認識をしておく必要がある仕様かと思います。
 
具体的には以下の通りです。
 

 
上記を実行すると、以下のようになります。
 

 
 
この PHPの日付の処理については、下記に詳細な仕様の説明と、対応策を書いていますので、併せて参考にしてください。
PHPで月末から1ヶ月後「+1 month」を算出すると想定する日付にならない場合がある

 - PHP・Smarty・ECCUBE

GoogleAdwords

GoogleAdwords

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

下記の空欄を埋めてください。 * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

※入力いただいたコメントは管理者の承認後に掲載されます。

  関連記事

ECCUBEの問い合わせフォームに任意の値を引数として渡す方法

ECCUBEのお問い合わせフォームに値を固有の情報を送りそれに基づいて処理をする方法を解説。ボタンの設置、受け取り側のテンプレート、プログラムのサンプルソースを提供。

QRコード(二次元バーコード)作成サービスを公開
QRコード(二次元バーコード)作成サービスを公開

QRコード(二次元バーコード)を生成するサービス。QRコードにする文字列を入力するだけで QRコードが簡単に作れる。オプションとして、画像サイズ、余白サイズ、エラー訂正レベルがある。

指定した数で文字列を丸める関数substr、mb_substr、mb_strimwidthの違い
指定した数で文字列を丸める(n文字目で…にする)関数substr、mb_substr、mb_strimwidthの違い

文字列を指定された数で抜き出すPHPの関数、substr、mb_substr、mb_strimwidthについての解説。似た関数だが引数の指定方法が違ったり、文字数がバイト数か文字数かも違ったり、注意が必要だ。

Smartyのテンプレート内の処理で計算、加工をする方法

Smartyのテンプレート上で変数を計算する、加工する方法を解説します。

配列の値をテキスト表示する際に「、」でつなげるときの処理方法の一例
配列の値をテキスト表示する際に「、」でつなげるときの処理方法の一例

配列の値を「、」でつないで出力する際、単純にforeachで繰り返し処理をすると「イヌ、サル、キジ、」となるが文字列最後の「、」を出力しない方法を3つ解説している。

Smartyの Syntax Errorの原因はスペースかも

Smartyのなかなか原因がつかめない Syntax Errorの原因はスペースかもしれません。

XML形式の値を配列形式に変換・PHPでは simplexml_load_string()
XML形式の値を配列形式に変換・PHPでは simplexml_load_string()

XMLとは「Extensible Markup Language」の略でテキストベースのデータフォーマット。XMLをPHPで配列に変換するWebツールの紹介とその処理「simplexml_load_string()」関数についての解説。

PHPで特定の日間の日付を for、strtotimeで表示する

ある特定の間の日付の情報を for文、strtotimeを使って作成し、その解説をしています。

PHPパーミッション変更のchmod関数・モードを変数で指定する方法

パーミッション変更関数であるchmod関数の第二引数、ファイルモードの指定に変数を使う場合は8進数に変換するoctdec関数を使って変換します。

パーミッション(属性)一括変更ツール・WordPress最適化済

WordPressのパーミッション(属性)を一括変更するツールを作成!ファイル、フォルダのパーミッションが一覧表示でき、ファイルを選んでパーミッションの変更が行えます。