QRコード作成ライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」をPHPで使うカスタマイズ
QRコード(二次元バーコード)作成ライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」は1ファイルを設置するだけで使える簡単便利なライブラリ
「cakePHP-QR-Code-Helper」は CakePHP2用のライブラリ
URL短縮サービス・TTTオンライン(https://ttt.onl)に QRコード(二次元バーコード)を表示させるために使う QRコード生成ライブラリを探していたときに「cakePHP-QR-Code-Helper」を見つけました。
このライブラリは、画像を扱うための追加のライブラリを必要とせず、1ファイルをサーバにアップするだけで使えるという便利なライブラリでした。
ただ、このライブラリは CakePHP2用のライブラリでしたので、CakePHP3で使うときも少しの修正が必要でした。
その時の話は「CakePHP3でQRコードを作成、表示するライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」」に記事を書いていますので参考にしてください。
今度は、これをプレーンの PHPで使いたいと思い、改めてカスタマイズをしましたので、そのカスタマイズ方法を紹介します。
「cakePHP-QR-Code-Helper」の設置方法や、各機能の利用の仕方については「CakePHP3でQRコードを作成、表示するライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」」に書いていますので、そちらを参考にしてください。
この記事では、その記事を読んでいる前提で、プレーンの PHPで使う場合の対応方法についてのみ解説します。
「cakePHP-QR-Code-Helper」をプレーンの PHPで使う方法解説
1.ライブラリのダウンロードとファイルの設置
該当の CakePHP2用 QR Code Helperは下記に置いてあります。
muxe/cakePHP-QR-Code-Helper
https://github.com/muxe/cakePHP-QR-Code-Helper
ここからダウンロードして、展開(解凍)して、「QrCodeHelper.php」ファイルを取り出し、好きなところにファイルを設置します。
CakePHP2の場合は、下記の場所に設置することになりますが、プレーンの PHPで使う場合はどこにおいても OKです。
「/app/View/Helper/QrCodeHelper.php」
2.「QrCodeHelper.php」ファイルのカスタマイズ
「cakePHP-QR-Code-Helper」は、CakePHP2用に作れていますので、classの設定部分を少し修正する必要があります。
また、作成した QRコードを imgタグに組み込む処理を CakePHPの HTMLヘルパーを使っていますので、この部分も修正する必要があります。
それら「QrCodeHelper.php」の修正箇所について解説します。
2-1.class名の指定部分の修正
「QrCodeHelper.php」の11行目を修正します。
1 2 3 4 5 |
// 修正前 class QrCodeHelper extends AppHelper { // 修正後 class QrCodeHelper { |
2-2.HtmlHelper部分の修正
「QrCodeHelper.php」の 64行目、78行目、88行目、101行目、139行目、149行目、159行目、187行目、199行目、241行目を修正します。
1 2 3 4 5 |
// 修正前 return $this->Html->image($this->base_url . urlencode($text) . $this->_optionsString($options)); // 修正後 return $this->base_url . urlencode($text) . $this->_optionsString($options); |
上記は、64行目の修正内容ですが、他の行も同様に、「$this->Html->image()
」を取り除きます。
先にも書きましたが、CakePHP2では HtmlHelperの処理「$this->Html->image()
」で imgタグを編集する処理を実行しています。
ですが、プレーンの PHPには HtmlHelperはありませんので、これを記述したままでは下記のようなエラーが発生します。
Notice: Undefined property: QrCodeHelper::$Html in /var/www/html/QrCodeHelper.php on line 65
Fatal error: Uncaught Error: Call to a member function image() on null in /var/www/html/QrCodeHelper.php:65 Stack trace: #0 /var/www/html/qrcode.php(91): QrCodeHelper->text('aa', Array) #1 {main} thrown in /var/www/html/QrCodeHelper.php on line 65
3.QRコードを表示する側、「QrCodeHelper.php」を読み込む側を作成
「QrCodeHelper.php」を読み込む側のプログラムは、下記のようになります。
たった 4行で QRコードが作れてしまいます!!
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 |
<?php // 「QrCodeHelper.php」の読み込み require ("QrCodeHelper.php"); // インスタンスの作成 $qrcode = new QrCodeHelper; // QRコードにする URLの指定 $url = "https://blog.s-giken.net"; // QRコードの表示 echo '<img src="' . $qrcode->text($url,["size"=>"200x200","encode"=>"UTF-8","margin"=>"2","error_correction"=>"L"]) . '">'; |
上記の「$qrcode->text()
」では、生成された QRコードが URLとして取得できます。
そのため、それを画面に表示するために imgタグに編集しています。
CakePHP2であれば、ライブラリの中で「$this->Html->image()
」のヘルパーを使って imgタグに編集していますので、imgタグに編集した値が戻ってきます。
そのため、下記のように echoなどで出力するだけで OKでした。
1 |
echo $qrcode->text($newUrl,["size"=>"150x150","encode"=>"UTF-8","margin"=>"2","error_correction"=>"L"]); |
もし、CakePHP2と同じ様に、imgタグに編集された状態の戻り値を取得したい、というのであれば、「$this->Html->image()
」で実行される処理と同じような関数を作成し、ライブラリ内に組み込むといいでしょう。
QRコード作成ライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」についてのまとめ
「cakePHP-QR-Code-Helper」ライブラリについての詳しい話は「CakePHP3でQRコードを作成、表示するライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」」を読んでいただければ、と思いますが、ライブラリの内部では Googleのグラフを表示する APIの「Google Chart API」を使っています。
そのため、QRコード(二次元バーコード)の生成自体は「Google Chart API」で行っていますので、画像を作成するライブラリなどを別途インストールする必要がありません。
つまり、ライブラリがインストールできないレンタルサーバなどでも組み込みが可能です。
また、サーバ内で画像を生成しませんので、サーバに画像が貯まることもなく、サーバの容量を気にする必要もありません。
ちなみに、この処理を使って QRコード(二次元バーコード)作成サービスを作ってみました。
あわせてご利用ください!!
QRコード(二次元バーコード)作成サービス
https://s-giken.info/qrcode/index.php
詳しい解説はこちらの記事を。
QRコード(二次元バーコード)作成サービスを公開
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