エス技研

WordPress、CakePHP、PHP、baserCMSなどの Web系システムを中心に情報を提供します!


EストアのショップサーブのWordPressサービスにメリット無し

      2017/03/11

Eストアのショップサーブの WordPress

 

ショップサーブが WordPressサービスを開始

 
2014年9月9日に Eストアのショップサーブが WordPressサービスを開始しました。
 
http://help.shopserve.jp/support/management/new-function-guide.html
このページの 2014年9月9日の辺りを参照してください。
 
ショップサーブは、ECサイトの ASPサービスですので、FTPでサーバにファイルをアップロードすることなどは出来ますが、データベースを利用することは出来ませんでした。
 
そのため、WordPressなどのアプリを使ってスタッフブログやプロモーションコンテンツを作ろうと思っても対応できかねる状態にありました。
 
ですが、WordPressのオプションサービスを開始したことで、これが可能になりました。
 
 

ショップサーブの WordPressオプションサービス概要

 
初期費用:4,565円(税別。申込み月のみ発生。税込価格は 4,930円。)
月額費用:1,000円(税別。申込み翌月から発生。税込価格は 1,080円。)
アクセス超過料:2,000円(税別。転送量が 150GBを越えた場合に 50GBごとに発生。税込価格は 2,160円。)
サーバ容量:5GB
データベース:MySQL 1つ
インストールURL:サブドメイン or サブディレクトリ
FTPアカウント:2つ
 
 

ショップサーブの WordPressの仕組み

 

ショップサーブの WordPressオプションサービスの概念図

 
ショップサーブの ECのサービスと WordPressオプションサービスのサイト構成に関する概念図は以下の通りです。
 
20150306_web_01
 
ショップサーブの WordPressオプションサービスを申し込むと、ECの ASPサービスのサーバとは別のサーバが用意され、そこに WordPressのプログラム一式がインストールされる仕組みになっています。
そして、WordPressのサーバには ECの ASPサーバから .htaccessによるリダイレクトが設定されます。
 
 

利用価値はあるのか?

 
ショップサーブのサーバは、ASPを提供しているサーバですので、勝手にデータベースにアクセスされては困るわけですので、ASPサーバからデータベースにアクセスする仕組みを提供するわけにはいかないのでしょう。
なので、WordPress用のサーバは別サーバを用意し、データベースも別物を用意しました。
と言った内容です。
 
 
このままでは単なる別サーバの別サービスになってしまいますので、.htaccessを設置し、ASPサーバの一部の様に見せかける仕組みを用意しました。ということです。
 
具体的な .htaccessの設定は以下のような感じです。
 

 
 
ただ、この仕組みの様に単にリダイレクト(URLのリライト)するだけなら、ショップサーブの WordPressを利用する理由を見いだすことは出来ません。
 
 
もっとコストパフォーマンスを求めるならば、ロリポップサーバやさくらインターネットと言ったもっと安いサービスがありますし、WordPressのパフォーマンスを求めるならば wpXレンタルサーバという Xサーバの WordPress専用サービスなどを利用すればいいわけです。
 
そして、上記の .htaccessの「http://wp.xxxx.shopserve.jp/」の部分を新たに契約したサーバに変更すれば OKなのですから。
サブドメインなどを設定する必要もありません。
 
 
このような状況の中、ショップサーブの WordPressを利用する理由は何なのでしょうか?
契約をひとまとめにでき、請求が一カ所から来るというだけ??
 
将来的にはショップサーブと連動できる機能を提供する、といったウワサを書いているサイトもありましたが...
 
 


 

ショップサーブの WordPressのデータベースにはアクセスできない

 
ショップサーブの WordPressのサーバのデータベースには phpMyAdminなどのデータベース管理ツールは用意されていません。
そして、サポートセンターに確認をしましたが、データベースへのアクセスに関しては一切サポート出来ません。とのことでした。
 
その意味でも、ショップサーブの WordPressを使う必要性が見いだせません。
 
 

Adminerのインストールで解決...せず

 
ショップサーブの WordPressのサーバに Adminerをインストールしてデータベースにアクセスしてみました。
 
 
20150306_web_02
 
ログインする際は、「永続的にログイン」にチェックを入れないと下記のように「セッションの期限切れ。ログインし直してください」のエラーが出続ける場合があります。
そんな場合は、「永続的にログイン」にチェックを入れてログインしましょう。
 
20150306_web_03
 
 
そうすると、データベースにログインすることはできるようになります。
そして、テーブルの状況を見ることはできるようになります。
各テーブルのデータの一覧を見ることもできるようになります。
 
 
ですが、レコードの更新、削除といった操作は一切行えません。
もちろん、テーブルの TRUNCATEや DROPもできません。残念!!
 
20150306_web_04
 
「不正なCSRFトークン。再送信してください If you did not send this request from Adminer then close this page.」というメッセージで一切の操作を受け付けてくれません。
 
 
Adminerというデータベース管理ツールについては「データベース管理ツール「Adminer」・phpMyAdminの代替ツール」に記事を書いていますが、PHP 1ファイルで作られているツールで、1ファイルをサーバにアップするだけで使えるようになり、phpMyAdminとほとんど変わらない機能を提供してくれるという驚きのデータベース管理ツールなのです!
 
 

WordPressのプラグイン Adminerを導入するも解決せず

 
データベース管理ツール Adminerには、同名の WordPressのプラグインが存在します。
 
それを使うと、WordPress上で Adminerと全く同じ機能が使えるようになるワケですが、WordPressのプラグインならいけるんじゃないか、と思って Adminerをインストールして、同じようにデータベースにアクセスしてみるものの、結果は素の Adminerを入れた時と全く同じ。
 
「不正なCSRFトークン。再送信してください If you did not send this request from Adminer then close this page.」というメッセージで一切の操作を受け付けてくれませんでした。
 
 
ちなみに、WordPressのプラグインとしての Adminerについては「WordPressのデータベース管理プラグインの決定版!Adminer」に記事を書いていますので、そちらを参考にしてください。
 
プラグインの Adminerはあくまでも WordPress上で動いていますので、「wp_options」などを下手に変更してアクセスできなくなってしまうと取り返しがつかない状態になってしまいますので注意が必要です。
 
とはいえ、ショップサーブではそもそも更新もできませんので、取り返しがつかない状態になることはありませんが...
 
 

phpMyAdminも動作せず

 
phpMyAdminもインストールしてみました。
そして、もちろん動作せず。
 
20150306_web_05
 
20150306_web_06
 
 
こんなところをシビアに対応するくらいなら、サービスそのものをもっといいものにしていくべきなんじゃね?と思わずにいられません。
 
WordPress用のサーバなのに、データベースを開放しない理由がよく分かりません。
 
 

ショップサーブの WordPressの管理方法

 

管理画面から WordPressをインストール

 
最初に書くべきなのかもしれませんが、ショップサーブで WordPressを管理する方法を書いておきます。
 
管理画面の「ページ編集」のページの右ナビゲーションの一番下にある「WordPressの設定」をクリックすると下記の画面になります。
 
20150306_web_07
 
そこにある「初期化して再インストールする」をクリックすると下記の画面になります。
 
20150306_web_08
 
 
ここで初期化をすると、データが初期化されますので、改めて WordPressをインストールすることになります。
 
そのため、この画面には「初期化する前にはバックアップを取りましょう」と書いてありますが、先にも書いた通り、バックアップを取ってもデータベースへはアクセスできませんので、データベースを復旧させることはできません。
 
非常に豪快なサービスです!!
 
バックアップの必要はない不具合は起こらないサービスというのでしょうか?
さらには、ユーザが間違いを起こすこともないサービスというのでしょうか?
 
 
今回の一連の流れの中で何度かサポートセンターに問い合わせてみましたが、このような仕組みだとするとサポートセンターの方々も何度も質問を受けることになるんでしょうけども、歯がゆい気持ちになるんじゃないかと心配になりましたね。

 - プログラミング・Web関連技術

GoogleAdwords

GoogleAdwords

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!

Comment

  1. tanZ より:

    最近ショップサーブで契約し作りをはじめた者ですが、ちょこちょこ「変だなぁ」と思うことが私もあり、不便を感じているところでした。

    サポートに聞いても、サーバの設定に関することとか、ショップサーブ側で独自に制限をしてることに関して尋ねると、「プログラムなどの記述に関することはお答えできません」と的外れで、急にロボットモード・オンな対応に。。。確かにすぐに電話は繋がるんですけど、これってサポートがいいって言えるのか?と

    筆者さんのように独自に解説してくださるブログの方が件のマニュアルより参考になります。ありがとうございます

    • エス技研 より:

      コメントありがとうございます。
      この記事ではショップサーブの WordPressのサービスについて、おかしなサービスだなぁと思いましたのでその点に付いて指摘してみました。
      サポートの方々も個人としてはしっかり対応してくれている雰囲気はありましたが、実際のサービスとこちらの質問の理解が十分じゃなくて個々人での対応範囲を超えた場合の組織としての対応となると...と言う感じが伝わってきましたね。
      ただ...まぁ、記事では批判しつつも同じく Web系のサービスを提供する企業に身を置くものとしては、これを反面教師として自分たちのサービスを向上させていかないとなぁと思うところでもありますねぇ。

  2. 緑のかぴばら より:

    私のクライアント様でショップサーブを使っている方がいるのですが、Wordpressで四苦八苦していました。
    こちらの記事を参考にさせて頂いて、いろいろ解決しました。
    とても助かりました。ありがとうございます。

    サポートに連絡してもマニュアルに記載のある程度の、FTPサーバーについても全然ご存じなかったみたいです(汗)
    できる、できない、は、すぐに改善されないとは思うので、仕方ないにしても、その答えに辿り着くために、サポートがイマイチだと時間が無駄にかかってしまって、それだけでも利用価値が下がってしまいますね…

    • エス技研 より:

      緑のかぴばらさん
      少しでも参考になるところがあったのであれば、記事を書いた意味があったって言うことですね。ありがとうございます。
      先のコメントにも書きましたけども、サポートの担当者個々人では頑張ろうとしているような雰囲気は伝わってくるんですけども、望んでいる結果に繋がらないのが残念なところなんですよねぇ。

エス技研 へ返信する コメントをキャンセル

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

下記の空欄を埋めてください。 * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

※入力いただいたコメントは管理者の承認後に掲載されます。

  関連記事

Gitで「fatal: Authentication failed for 'https://example.com/git_repositories/example.git/'」のエラーが出た場合の対処方法の一つ
Gitで「fatal: Authentication failed for ‘https://example.com/git_repositories/example.git/’」のエラーが出た場合の対処方法の一つ

Gitのリモートリポジトリにアクセスする際、Authentication failedのエラーが。しかし、ID、PASSが間違っているのではなく、リモートリポジトリのURLが間違っている場合もあるので再度確認を。

PythonでMySQLへの接続ライブラリMySQL-pythonの簡単インストール方法

PythonはMySQLに接続するライブラリは別途インストールが必要。なのでMySQL-pythonライブラリのインストール方法とサンプルスクリプトで動作検証までを解説。

Gitはフォルダ自体を管理対象にはできない。空のフォルダを設定する手順
Gitはフォルダ自体を管理対象にはできない。空のフォルダを設定する手順

Gitはフォルダだけを管理対象にすることはできない。そのため空の.gitkeepファイルを作成し管理対象にすることで、それが入っているフォルダも管理対象にする、と言う手順で管理を行う。

借りてはいけないレンタルサーバ実例4社・アルファメール・WEBアリーナ

餅は餅屋。サーバはサーバ屋が提供するサービスを利用するべきという記事で、具体例 4サービスを例にこんなサーバはNGと紹介しています。

ロリポップからX-Serverに引越し。サーバの月額費用が増えても求めた理由は?

ロリポップからX-Serverに引越すその理由とは?SEOの観点からも少しでもサーバレスポンスが早いサーバが求められロリポップでは限界を感じたからです。

mod_pagespeedでWebサイトを超簡単高速化・Google謹製の最終兵器

Webサイトの表示スピード高速化の最終兵器、Google謹製mod_pagespeedの解説です。レンタルサーバではX-Serverでしか利用できませんが、ワンクリックで高速化します。

サイト更新、引越時に.htaccessでリダイレクトする方法解説

サイト更新,引越しなどでサイトのURLが変わった場合のリダイレクトを.htaccessのRewriteEngineを使って処理する方法の解説です。

直リンクとは何か?直リンクとディープリンクの違いと著作権問題

直リンクは著作権違反なのか?議論の前にまず「直リンク」の意味を正しく理解しよう。直リンクは他のサイトの画像を読み込む、ディープリンクなど多様な意味がある。

.gitignoreを更新しても反映されないときは「git rm -r --cached .」でキャッシュを削除
.gitignoreを更新しても反映されないときは「git rm -r –cached .」でキャッシュを削除

gitの.gitignoreを変更しても記述内容が反映されない時がある。それはGitのキャッシュが残っているため。そんなときは「git rm」コマンドを使ってキャッシュを削除すれば解決する。

Selenium WebDriver、Pythonをインストールしブラウザ自動操作の環境構築手順のまとめ

ブラウザを自動操作しテストを実行するロボットをselenium WebDriver+Pythonの環境を構築し、動作確認までの手順のまとめ。初心者向けに詳細解説。サンプルソースも。