MySQL、CakePHP 2.3で「tinyint(1)」の Boolean型の動作を再確認
2018/03/21
MySQL、CakePHPで「tinyint(1)」のフィールドは Boolean型として認識
MySQLでの「tinyint(1)」のフィールドは Boolean型と認識するが...
MySQLの「tinyint(1)」の悲劇 Boolean型になるとは...
この記事に「結論が間違っています」コメントをいただきました。
そのために検証を行った結果、「tinyint(1)」のフィールドが「Boolean型」として処理されるのは MySQLの機能ではなく、CakePHPの機能によって起こっていることを確認しました。
※厳密な表現では、MySQLでは「tinyint(1)」で設定されたフィールドは Boolean型として処理する仕様となっているため、その定義に従って、CakePHPでは「0」「1」しか持てないように処理している、ということになるでしょう。
MySQLの定義については以下参照
http://dev.mysql.com/doc/refman/5.1/ja/numeric-type-overview.html
また、コメントでご指摘をいただいた通り、「tinyint(1)」を設定していても MySQLのテーブル上は -128~127まで保存されることを確認しました。
そして、「0」の場合は「False」、「0」以外の場合は「True」として扱うものと定義してあるようです。
Cakephpでの「tinyint(1)」のフィールドの扱い方
しかし、それを CakePHPで処理をするとちょっと違う結果になることを改めて確認しました。
具体的には、下記の様にテーブルを作成し、このテーブルをもとに CakePHPの bakeコマンドにて、Model、Controller、Viewを作成し、データの登録、一覧表示を行ってみました。
——————————————–
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `testints` ( `id` int(11) NOT NULL AUTO_INCREMENT, `test1` tinyint(4) NOT NULL, `test2` smallint(6) NOT NULL, `test3` int(11) NOT NULL, `test4` bigint(20) NOT NULL, `created` datetime DEFAULT NULL, `modified` datetime DEFAULT NULL, PRIMARY KEY (`id`) ) ENGINE=InnoDB DEFAULT CHARSET=utf8; |
——————————————–
この状態でデータを登録すると、当たり前ですがデータは問題なく「-128」~「127」まで問題なく登録できました。
その次に、phpMyAdminなどで、test1の項目を「tinyint(1)」に変えてみたところ、大きな変化が現れました。
まず、一覧画面。
変更前
変更後
それまで -128、127などが編集されていた項目が「1」になり、0が編集されていた項目は nullに変わってしまいました。
また、入力画面では、通常のテキスト入力項目だったものが、チェックボックスの項目に変わってしまうという自動処理が行われていました。
変更前
変更後
Cakephpで入力形式を変えてみた場合
これをもとのテキスト形式の入力に戻す場合は、「/app/View/Testints/add.ctp」の 6行目に下記の様に「, array ( ‘type’ => ‘text’ )」を追加することでテキスト形式の入力に戻すことは可能です。
———————–
1 |
echo $this->Form->input('test1', array ( 'type' => 'text' ) ); |
———————–
ですが、テキスト形式で入力できるようにしたとして 0以外の数値が入力されてもデータベースには 1として保存されますので、実質 Boolean型としてしか使えませんので注意が必要です。
これが、前回の記事「MySQLの「tinyint(1)」の悲劇 Boolean型になるとは...」で陥っていたトラブルの原因でした。
そして、これは MySQLの Boolean型としての定義を、CakePHPの機能によって Boolean型としての処理として実装しているということが今回の実験で判明しました。
「tinyint(1)」以外の項目をチェック
さらに実験をしてみたところ、「tinyint(1)」以外の「「tinyint(2)」「tinyint(3)」では「tinyint(1)」のような変化はなく、「smallint(1)」「int(1)」も「tinyint(1)」のような変化はありませんでした。
ただ、「bigint」はさらなる衝撃な動作をしました。
なんと、「bigint(1)」のように設定すると、設定した数値の桁数分だけしか入力できなくなるのです。
例えば、
「bigint(1)」ならば、1桁しか入力できませんので「0~9」まで。
「bigint(2)」ならば、2桁しか入力できませんので「-9~99」まで。
といった感じ。
つまり、設定した数値の値に従って、入力エリアに自動的に「maxlength」が設定されるようです。(HTMLのソース上に maxlengthが設定してあるのを確認しました。)
ですが、これはあくまでも入力画面における処理であり、「tinyint(1)」の処理とは違うようで、下記の様に入力タイプを「text」と明示して設定すると、「maxlength」の制限はなくなり、通常通り「bigint(20)」と変わらない動きになりました。
また、入力画面上のみの処理のため、あらかじめ入力されていたデータは「tinyint(1)」の様に加工されることなくそのまま表示されていました。(入力画面でも入力されている値がそのまま表示されていました。)
———————–
1 |
echo $this->Form->input('test4', array ( 'type' => 'text' ) ); |
———————–
「tinyint(1)」の MySQL、CakePHPでの動作のまとめ
今回は、tinyint、smallint、int、bigintの 4つの型での検証ですが、その他の項目でも同じような動きをする項目があるかもしれません。
もし、そんなことをご存知の方がいらっしゃいましたら、情報提供をしていただけますと幸いです。
ちなみに、当然ですが「tinyint(0)」は設定することができません。
tinyint()を始め、MySQLの数値型についての詳細は、下記に解説記事を書いていますので、あわせて参照してください。
MySQLの数値型(int、tinyint、bigint、decimal、number、float)の解説
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
CakePHP3のインストールでURL rewriting……のエラーが!その解決方法解説
CakePHP3をインストールしたら URL rewriting is not properly configured.のエラーが。原因は.htaccessが有効になっていないこと。httpd.confに設定を追加すればOK。
-
CakePHP4のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説
CakeDC謹製Usersプラグインの紹介。ユーザ新規登録の流れを紹介しつつ、テンプレートファイル、設定情報ファイルの場所とそれらをカスタマイズする方法を説明します。
-
MySQLのタイムゾーン(mysql_tzinfo_to_sql)の設定方法・XAMPP環境の解説も
MySQLのタイムゾーンテーブル(mysql.time_zone)の中身を確認し、からの場合は追加する方法を解説。LinuxとWindows・XAMPPとで異なる対応方法についてそれぞれ解説。
-
CakePHP 2.3でファイルのアップロード処理を作る
CakePHPでプラグインを使わないファイルアップロード処理を解説します。簡単です。DBにファイルを格納する方法も。
-
CakePHP3でレコードを保存(追加、更新、Insert、Update)する複数の方法を紹介
CakePHP3でレコードを追加、更新(Insert、Update)する記述方法を解説。1件ずつ処理、全件をまとめて処理、条件に該当する複数件のレコードを処理方法をサンプルコードを用いて解説。
-
CakePHP3でCookieを保存、呼び出し、削除の操作・CakePHP3.7対応
CakePHP3.7でCookieを保存、取り出し、削除する方法を解説。CakePHP3でのCookieの取り扱いはバージョンごとに変更されるため、環境に合わせた方法を探す必要がある。
-
CakePHP4のFrozenDateで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などを算出する方法
CakePHPには「FrozenDate」の日付を扱う関数が用意されている。これを利用して、1ヶ月後、月末日、月初日、5日後などを指定して日付を取得できる。それを解説。
-
CakePHP 2.3 bakeの超初心者向けフォロー講座
CakePHP 2.3 bakeの超初心者向けフォロー講座
-
MySQLで SQLSTATE[42000] Row size too large(> 8126)のエラーが出たときの対処方法
MySQLで入力する文字数が多い場合「SQLSTATE[42000] Row size too large(> 8126)」のエラーが発生することがある。その対処方法の解説を解説。
-
CakePHP3でデフォルトのソート条件を設定してユーザの選択肢たソート条件を有効にする方法
CakePHP3でデフォルトのソート条件を設定しつつ画面上でユーザがソート条件を選択したときもソート処理を実行させる方法を解説。ソート条件はページネーションの処理として実装。