CakePHP 2.3 主キー(ID)以外のキーで更新方法 updateAll
2017/03/10
CakePHP 2.3 主キー(ID)以外のキーで更新方法 updateAll
CakePHPでレコードを更新する方法・概要
CakePHPは非常に便利で、主キーをもとにレコードを更新する場合は、下記の記述方法で簡単に処理できます。
1 |
$this->テーブル名->save($this->request->data) |
でも、主キー以外でレコードを更新する必要が出てき調べましたので、その報告です。
上記の saveの処理を下記の記述方法に変更することで更新処理が行えるようになります。
1 2 3 |
$this->テーブル名->updateAll( array ( '更新するカラム' => 変更の値 ), array ( '条件のカラム' => 条件の値 ) ) |
CakePHPでレコードを更新する方法・具体例
ここでは下記の「comments」テーブルを利用し、bakeで作成したプログラムソースを改変してサンプルプログラムを作成します。
通常の更新は editで行い、主キー(ID)以外の更新のための画面を edit2として作成します。
まず、サンプルで使ったテーブルの構築です。
下記の SQLを使ってください。
——————
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
CREATE TABLE IF NOT EXISTS `comments` ( `id` int(8) NOT NULL AUTO_INCREMENT, `post_id` int(8) NOT NULL, `sec_code` char(4) DEFAULT NULL, `list` varchar(255) DEFAULT NULL, `created` datetime DEFAULT NULL, `modified` datetime DEFAULT NULL, PRIMARY KEY (`id`) ) ENGINE=InnoDB DEFAULT CHARSET=utf8 AUTO_INCREMENT=8 ; |
——————
続けて、データは自身で入れていただければいいのですが、面倒な方用にサンプルです。
——————
1 2 3 4 5 6 7 8 |
INSERT INTO `comments` (`id`, `post_id`, `sec_code`, `list`, `created`, `modified`) VALUES (1, 12, '1234', '12-1234のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (2, 23, '2345', '23-2345のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (3, 34, '3456', '34-3456のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (4, 45, '4567', '45-4567のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (5, 56, '5678', '56-5678のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (6, 67, '6789', '67-6789のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'), (7, 78, '7890', '78-7890のリスト', '2014-04-01 12:00:00', '2014-04-01 12:00:00'); |
——————
このテーブルをもとに、Bakeコマンドで Controller、Model、Viewを作成してください。
続けて修正対応を行います。
Modelは、全く修正しません。
Viewは、「edit.ctp」をもとに「edit2.ctp」をコピーして作成します。ファイル名は違いますが、中身は全く同じです。画面を表示した際に違いが分かるように何か追加で記述してもいいでしょう。
また、index.ctpから「edit2.ctp」にリンクを貼ります。23行目付近の「edit」へのリンクの行をコピーし「edit2」に変更するだけです。(面倒でなければ、URL直打ちでも問題ありません。)
修正のメインは、Controllerです。
/app/Controller/CommentsController.php
———————————
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 |
public function edit($id = null) { if (!$this->Comment->exists($id)) { throw new NotFoundException(__('Invalid comment')); } if ($this->request->is('post') || $this->request->is('put')) { if ($this->Comment->save($this->request->data)) { $this->Session->setFlash(__('The comment has been saved')); $this->redirect(array('action' => 'index')); } else { $this->Session->setFlash(__('The comment could not be saved. Please, try again.')); } } else { $options = array('conditions' => array('Comment.' . $this->Comment->primaryKey => $id)); $this->request->data = $this->Comment->find('first', $options); } } |
———————————
上記が Bakeで作成される「edit」関数の部分です。ここは、主キー(ID)をキーとして更新を行う処理です。
その部分をコピーして作成したものが下記の edit2の関数です。
上記の 6行目を 6行目~8行目に変更しています。
実は、変更する部分はここだけで済みます。
ここでは、post_idの値が同じレコードを変更対象とし、sec_codeのカラムの値を変更する指定になっています。
ちなみに、「$this->request->data[‘Comment’][‘sec_code’]」が「Comment」の画面から入力があった「sec_code」という項目の入力を取得しているものになります。
PHPの取得処理で記述すると「$_POST[‘sec_code’]」といったところでしょうか。
/app/Controller/CommentsController.php
———————————
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 |
public function edit2($id = null) { if (!$this->Comment->exists($id)) { throw new NotFoundException(__('Invalid comment')); } if ($this->request->is('post') || $this->request->is('put')) { if ( $this->Comment->updateAll( array('Comment.sec_code' => $this->request->data['Comment']['sec_code']), array('Comment.post_id' => $this->request->data['Comment']['post_id']))){ $this->Session->setFlash(__('The comment has been saved(edit2)')); $this->redirect(array('action' => 'index')); } else { $this->Session->setFlash(__('The comment could not be saved. Please, try again.')); } } else { $options = array('conditions' => array('Comment.' . $this->Comment->primaryKey => $id)); $this->request->data = $this->Comment->find('first', $options); } } |
———————————
続いて、更新するレコードを指定する条件を複数指定することもできます。
下記は、post_idと listの値が合致するレコードを更新する設定になっています。
arrayの値を追加していくことで検索条件の項目を増やしていくことができます。
———————————
1 2 3 4 |
if ( $this->Comment->updateAll( array('Comment.sec_code' => $this->request->data['Comment']['sec_code']), array('Comment.post_id' => $this->request->data['Comment']['post_id'], 'Comment.list' => $this->request->data['Comment']['list']))){ |
———————————
続いて、更新するカラムを増やすこともできます。
下記は、sec_code、listのカラムの値を更新する指定になっています。
ちなみに、なぜだかわかりませんが、上記の様にレコードを指定する条件の方は「$this->request->data[‘Comment’][‘list’]」をクォートで囲まなくてもエラーにはなりませんでしたが、更新するカラムの値の方はシングルクォートで囲まないとエラーになってしまいましたので、下記の様にシングルクォートで囲むよう指定を行います。
これは、sec_codeは intのために数値しか入りませんが、listは varcharのためテキスト文字が入ったことでエラーになったものと思われます。
今後のトラブル回避のためには、上記の条件指定の方もシングルクォートで囲む方がいいでしょう。
———————————
1 2 3 4 |
if ( $this->Comment->updateAll( array('Comment.sec_code' => $this->request->data['Comment']['sec_code']), 'Comment.list' => "'" . $this->request->data['Comment']['list'] . "'"), array('Comment.post_id' => $this->request->data['Comment']['post_id']))){ |
———————————
また、下記のように、modifiedが「2014-04-01 00:00:00」の様に複数の項目に合致するように指定した場合は、複数のレコードが一気に更新されます。
———————————
1 2 3 |
if ( $this->Comment->updateAll( array('Comment.sec_code' => '5'), array('Comment.modified' => '2014-04-01 00:00:00'))){ |
———————————
また、条件の指定は、下記の様に不等号、等号などの条件を指定することも可能です。
———————————
1 2 3 |
if ( $this->Comment->updateAll( array('Comment.sec_code' => '5'), array('Comment.post_id >' => 50))){ |
———————————
追記・updateAllは自前でサニタイズをする必要がある
さらにいろいろと調べている過程で、updateAllは、自前でエスケープする必要があることが分かりました。
上記の説明で、下記の様にクォート囲む必要があると書きましたが、それだけでなくエスケープ処理も自前で行う必要があるとのことですので、下記の様にサニタイズをする必要があります。
そうしないと、入力されたデータの中に「’」などが入っているとエラーになってしまいます。
———————————
1 |
'Comment.list' => "'" . Sanitize::escape( $this->request->data['Comment']['list'] ) . "'"), |
———————————
また、Sanitize::escape()を使う際には、それを呼び出しておく必要がありますので、Controllerの上の方に「App::import(‘Utility’, ‘Sanitize’);」を追記しておきましょう。
サニタイズのことについて、下記のサイトが参考になりました。
http://blog.xao.jp/blog/cakephp/postscript-of-entry-about-model-updateall/
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
CakePHP3のOGPはHTMLヘルパーの$this->Html->meta()を使って設定
CakePHP3でOGPを設定する方法を解説。metaタグを編集するHTMLヘルパーを利用してOGPのタグを編集する。また、エレメントとして分割することでメンテナンス性も向上させる。
-
CakePHP3で「SQLSTATE[23000]: Integrity constraint violation」「SQLSTATE[42S22]: Column not found」などのエラーが出たときの確認するポイント
CakePHP3の開発で発生する「SQLSTATE[23000]: Integrity constraint violation」「SQLSTATE[42S22]: Column not found」のエラーには特有の原因もあるため、その説明と対処方法の解説。
-
CakePHP4のController内でViewテンプレート、レイアウトの変更設定を記述する方法
CakePHP4でテンプレートやレイアウトファイルをデフォルトから変更する場合は「render()」を使用するが、記述場所はできるだけコントローラー内の最後の方に書く方がいい。
-
CakePHP3でレコードを保存(追加、更新、Insert、Update)する複数の方法を紹介
CakePHP3でレコードを追加、更新(Insert、Update)する記述方法を解説。1件ずつ処理、全件をまとめて処理、条件に該当する複数件のレコードを処理方法をサンプルコードを用いて解説。
-
Windows上のXAMPP環境のCakePHPのコマンド実行時に環境変数を指定する方法
CakePHP4のコマンド(シェル)に対して、環境変数を指定して実行する方法を解説。LinuxとWindows上のXAMPPとでは記述方法が異なるため、Windowsのsetコマンドについても詳細解説。
-
CakePHP3で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法
CakePHP3で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法を解説。複数の方法があるが、getParam()メソッドを使う方法が汎用性があって便利かも。
-
CakePHP3、CakePHP4、CakePHP5のバージョンを指定してインストールする詳細な手順を解説
CakePHP3のバージョンを指定してインストールする方法を詳細解説。CakePHP3のインストールはComposerを使うため設定もほぼ自動で完了。データベースの接続情報を記載すればアプリ開発のベースが整う。
-
CakePHP3でモデルなしフォームからCSVをアップロードしレコードを更新する方法解説
CakePHP3でCSVファイルをアップロードしレコードを追加、更新する処理の作成方法の解説。モデルとは直接関連しないフォームからCSVファイルをアップロードするため汎用的に使用可能。
-
CakePHP4から外部のデータベースにアクセスする方法解説
CakePHP4のシステムから他のシステムのデータベースにアクセスをし、SQL文を実行する方法を解説。try-catchでエラーを取得する方法も解説。
-
CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1
CakePHP3でファイルをアップロードする処理を、php.netにある「エラーを起こさない」と説明がある処理を参考に作成。サンプルソースとその解説付きで、コピペでも動くし、カスタマイズも簡単!