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CakePHP3で画像・ファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その2

      2017/10/28

CakePHP3で画像・ファイルのアップロード処理を作る

 
CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1」で CakePHP3でファイルをアップロードする処理を作成しました。
 
ただ、「CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1」で解説した処理では、アップロードはできても、レコードやファイルを更新する処理や、削除をする処理に対応していませんでしたので、実用に耐えうるようにするために、追加で必要な処理を作成しました。
 
今回は、その追加の処理の解説です。
 
 

CakePHP3で画像・ファイルのアップロードするサンプルソースコード

 

edit.ctpの更新

 
入力された情報を更新する入力画面「edit.ctp」を更新します。
 
更新する対象のファイルは、以下になります。
/src/Template/News/edit.ctp
 
追加するソースコードは下記になります。
 

 
追加すると下記ようなイメージになります。
きれいに並べるためには CSSなどの調整をしてください。

 
 
画像を登録した Newsの記事を更新しようとすると、すでに登録されている画像が表示されます。(登録した画像がない場合は表示されません。)
 
そして、画像を更新したい場合は、そのまま新たな画像ファイルを指定して、「submit」を実行します。
画像を削除するだけの場合は「Delete」ボタンをクリックすることで画像の削除だけが行われる、という処理を想定しています。
 
また、実際の更新処理も実行しますので、そのほかの項目を更新している場合は、更新があった項目の更新も実行します。
 
既存登録の画像については「file_before」という名称の hiddenの値として保持して処理を続けています。
 
既存登録画像を表示する際の画像のパスの指定の方法は、「CakePHP3でDocumentRootやwebroot、imgフォルダのURLやドメイン、パスを取得」に記事を書いていまして、Formヘルパーについては「CakePHP3のForm Helperの使い方のまとめ」に記事を書いていますので、そちらも参考にしてください。
 
 


 

NewsController.phpの editアクションの更新

 

NewsController.phpのサンプルソースコード

 
今回の機能拡張のメインの個所になる「NewsController.php」の editアクションの変更部分です。
 
更新する対象のファイルは、以下になります。
/src/Controller/NewsController.php
 
更新するソースコードは下記になります。
 

 
 

NewsController.phpの変更点の解説

 
変更点にはそれぞれコメントを入れていますので、個別に確認していただければわかりかとは思いますが、解説をしていきます。
 
9行目は、アップロードするファイルを保存するフォルダを指定します。
各フォルダのパスの指定の仕方は、「CakePHP3でDocumentRootやtmp、webroot、logsなどのフォルダへのパスの定数」に記事を書いていますので、そちらを参考にしてください。
 
11行目は、「delete」ボタンがクリックされたか、否かの判定です。
あんまり見かけない処理のような気もしますが、submitボタンにも name、valueを指定することができ、クリックされたボタンがどのボタンなのかを判定することができます。
その処理を利用して、「delete」ボタンがクリックされた場合と、通常の「submit」ボタンがクリックされた場合とで処理を分けています。
 
13行目で、Fileクラスで削除処理対象のファイルを指定して、15行目で削除の実行を行います。
そして、削除実行が正常に処理できたか、否かによって振り分け処理を行っています。
 
Fileクラス、Folderクラスに関しては、下記のページを参考にしてください。
https://book.cakephp.org/3.0/ja/core-libraries/file-folder.html
 
26行目からの処理は、ファイルをアップロードする処理です。
29行目の「file_upload()」関数は、「CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1」で解説した、自作のファイルアップロード処理ですのでそちらの解説を参照してください。
「file_upload()」関数の中身は特に変わりません。
 
31行目は、新しいファイルが送信されてきた場合、既存登録のファイルがあった場合は、それを削除する必要がありますので、その削除処理を実行しています。
ただし、ここでは、削除処理を実行しても削除できなかった場合は、処理を中断させるのではなく、ログファイルにログを出力するだけで、処理を継続する仕様にしています。
処理を中断させる必要がある場合は改修をしてください。
 
52行目は、新しいファイルが送信されなかった場合で、既存登録のファイルがある場合は、既存登録のファイルを削除せずに保存しなおすための処理になります。
 
61行目からの処理は、ファイルを削除する「delete」ボタンがクリックされた場合は、更新の入力画面に戻るためのリダイレクト処理を設定しています。
 
 

NewsController.phpの addアクションは変更なし

 
今回の機能拡張では「NewsController.php」の addアクションは「CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1」で解説した変更箇所から変更する箇所はありません。
 
ですが、改めて addアクションも記載しておきます。
 

 
 

NewsController.phpの deleteアクションの更新

 
更新、登録に続いて、次はレコードの削除となる「NewsController.php」の deleteアクションの変更部分です。
 
更新するソースコードは下記になります。
 

 
ファイルが削除できない場合は、デバッグログに出力する処理だけにしています。
あまり発生しないと思っていることと、ファイルが消せなくてもレコードが消せれば良しとしよう、と判断しているためです。
厳密な処理を行うために処理を止めたい場合は、厳密なエラー処理を記述してください。
 

CakePHP3で画像・ファイルのアップロードする処理のまとめ

 
CakePHP3で画像やファイルのアップロードを行う処理を自作してみました。
 
CakePHP3が、Post送信されたファイルも扱いやすい形で処理してくれますので、その後のファイルのコントロールのスムーズに処理をすることができます。
 
サムネイルファイルを作成する機能などはありませんので、大きなファイルをアップロードすることを想定する場合などは、さらに追加の機能なども必要であろうと思いますが、ファイルのアップロードの処理について理解を深めるには、プラグインを使わずに一度自分で作ってみるのもいいんじゃないかと思います。
 
作成する上での関連記事は以下の通りとなります。
 
CakePHP3のForm Helperの使い方のまとめ
CakePHP3でDocumentRootやtmp、webroot、logsなどのフォルダへのパスの定数
CakePHP3でDocumentRootやwebroot、imgフォルダのURLやドメイン、パスを取得
CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1
 
 

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その他の「CakePHP3」に関する記事一覧
 
 

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