CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その5入力項目に複数項目入力した場合の AND検索、OR検索
2017/03/12
Search Pluginで検索処理 設置方法 その5
Search Pluginで検索処理 AND検索、OR検索のサンプルコード
今回の検索は、入力項目に複数のキーワードを入力した際に、AND検索したり、OR検索したりする検索方法です。
今回の処理は、「CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その2表示件数を動的に変える方法」をベースにしていますので、そちらもご覧ください。
CakePHPの Search Pluginでは、AND検索、OR検索の方法も簡単に実装できるように用意されています。
今回は、下記のように Modelの「nickname」に「’connectorAnd’ => ‘ ‘, ‘connectorOr’ => ‘,’」を追加することで、それぞれ AND検索、OR検索を実装しています。
AND検索の場合は「ー ン」の様に、OR検索の場合は「太郎,多恵子」の様に入力することでそれぞれ検索を行えます。
Googleの検索が半角スペースで区切ることで AND検索になりますので、「’connectorAnd’ => ‘ ‘」としていますが、「’ ‘(半角スペース)」と記述していある部分を好きな記号に変更することでオリジナルの区切り文字を設定することができます。
ただ、OR検索は、Googleの場合は「or」と入力することで OR検索になりますが、CakePHPのこの Search Pluginの場合は、区切り文字を 2文字以上のものを設定することができませんので、「’connectorOr’ => ‘,’」の方は「’,’(カンマ)」を設定しています。
————–(/app/Model/User.php)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
<?php class User extends AppModel { : : // 検索対象のフィルタ設定 public $filterArgs = array( array('name' => 'id', 'type' => 'value', 'field' => 'User.id'), array('name' => 'username', 'type' => 'like', 'field' => 'User.username'), array('name' => 'nickname', 'type' => 'like', 'field' => 'Profile.nickname', 'connectorAnd' => ' ', 'connectorOr' => ','), ); : : } |
————–
Search Pluginで検索処理 AND検索、OR検索の注意点
上記の方法は、検索対象が部分一致検索(’type’ => ‘like’)の場合のみ有効です。
完全一致検索(’type’ => ‘value’)の場合は、下記の様に「connectorAnd」「connectorOr」を設定してもエラーにはなりませんが、正しい検索結果は戻ってきません。
————–(/app/Model/User.php)
1 2 3 4 5 6 7 8 |
<?php class User extends AppModel { : : array('name' => 'id', 'type' => 'value', 'field' => 'User.id', 'connectorAnd' => ' ', 'connectorOr' => ','), : : } |
————–
私は、このことが分からず、かなーりハマりました。エラーが起こらないために何が悪いのかが分かりにくいんですよね。
Search Pluginで検索処理 AND検索、OR検索の処理のポイント
ではどうするか。
下記の様に「’type’ => ‘subquery’」を設定し、「searchIn」の関数を設定し、queryに編集する文字列を生成します。
subqueryを設定し、入力値を戻すだけで IN句を生成してくれるようです。
————–(/app/Model/User.php)
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 |
<?php class User extends AppModel { : : // 検索対象のフィルタ設定 public $filterArgs = array( array('name' => 'id', 'type' => 'subquery', 'method' => 'searchIn', 'field' => 'User.id'), array('name' => 'username', 'type' => 'like', 'field' => 'User.username'), array('name' => 'nickname', 'type' => 'like', 'field' => 'Profile.nickname'), ); function searchIn($data = array()) { $query = $data['id']; return $query; } : : } |
————–
ただ、この場合、「1,2,3」の様に「,(カンマ)」で区切らないとエラーになります。
そのため、もし、入力値が数字のみと分かっている場合は、「searchIn」の関数の中身を下記の様にしてみるのもいいでしょう。
1行目で数字以外を「,」に変換し、2行目でカンマが連続している場合はカンマ一つに変換する処理を入れて、3行目、4行目で先頭と最後尾のカンマを削除しています。
これであれば、数値以外が入力されても問題はないでしょう。
————–(/app/Model/User.php)
1 2 3 4 5 6 7 |
function searchIn($data = array()) { $query = mb_ereg_replace ( '[^0-9]', ',', $data['id'] ); $query = mb_ereg_replace ( ',+', ',', $query ); $query = mb_ereg_replace ( '^,', '', $query ); $query = mb_ereg_replace ( ',$', '', $query ); return $query; } |
————–
Search Pluginで検索処理 AND検索、OR検索の応用編
その他、これを応用して、例えば、必ず表示させる情報がある場合の対応も可能です。
具体的なイメージとしては、会員サイトで会員ごとにお知らせを配信しているとします。
通常は、会員ごとに配信するので会員 IDを付与してお知らせを配信しますが、全会員に向けて一斉配信したいお知らせがあった場合に、特定の IDを付与したお知らせはすべての会員に配信したい、そんな状況を想定します。
処理の方法は、「$data[‘id’] .= ‘,20’;」の行を追加するだけです。
今回は、サンプルとして「20」の IDは必ず表示させるようにしていますが、IDを 0にするといった方法でもいいと思います。(もっとスマートな書き方もありますが...)
————–(/app/Model/User.php)
1 2 3 4 5 6 7 8 |
function searchIn($data = array()) { $data['id'] .= ',20'; $query = mb_ereg_replace ( '[^0-9]', ',', $data['id'] ); $query = mb_ereg_replace ( ',+', ',', $query ); $query = mb_ereg_replace ( '^,', '', $query ); $query = mb_ereg_replace ( ',$', '', $query ); return $query; } |
————–
【CakePHP 2.3 Search Plugin検索処理 目次】
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その1設置方法
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その2表示件数を動的に変える方法
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その3入力エリア一つで複数の項目を同時に検索する方法
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その4前方一致検索、後方一致検索、不等号による検索、between句による範囲検索
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その5入力項目に複数項目入力した場合の AND検索、OR検索
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その6ORDER、sortソートの機能
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その7queryを使って 日付の範囲検索
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
CakePHP3でassociatedを使って関連データをまとめて保存する方法(hasOne、hasMany、belongsTo)
CakePHP3で関連データをまとめて保存する方法。hasOne、hasMany、belongsTo等の関連データはassociatedを追加することでまとめて保存することができます。
-
-
CakePHP 2.3でファイルをアップロード・その2 ファイル名を乱数で設定
CakePHPのアップロードするファイル名を乱数で変更しセキュリティを高める方法を解説。
-
-
CakePHP4で「app_local.php」「.env」を利用して環境ごとの定数を振り分ける方法
CakePHP4で.env、app_local.phpに定数を定義してそれを呼び出す方法の解説。Gitでは管理せず本番環境と開発環境とで異なる定数を定義するためそれを利用する方法。
-
-
CakePHP3でDocumentRootやwebroot、imgフォルダのURLやドメイン、パスを取得
URLやドメイン、フォルダへのパスの取得は、ビューではUrlHelperを使い、コントローラーではRouterクラスを使います。第2引数の指定でURLを取得することも可能。
-
-
CakePHP3でアソシエーション先のカラムでデータをソートして取得したい
アソシエーション先のテーブルのカラムをキーにソートをしたデータを取得したい!ときの記述方法を解説。「orderAsc()」ではなく「contain()」の中にSort条件を記述する。
-
-
CakePHP3のタイムゾーンを協定世界時UTCから日本標準時間JSTにずれを変更する方法
CakePHP3の標準設定のタイムゾーンは「UTC(協定世界時)」に設定されている。これを日本標準時に変更する方法(app.php、bootstrap.phpの変更方法)の解説。
-
-
CakePHP3で「SQLSTATE[23000]: Integrity constraint violation」「SQLSTATE[42S22]: Column not found」などのエラーが出たときの確認するポイント
CakePHP3の開発で発生する「SQLSTATE[23000]: Integrity constraint violation」「SQLSTATE[42S22]: Column not found」のエラーには特有の原因もあるため、その説明と対処方法の解説。
-
-
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その4前方一致検索、後方一致検索、不等号による検索、between句による範囲検索
CakePHPの検索プラグイン Search Pluginの検索処理の中で前方一致検索、後方一致検索、不等号による検索、between句による範囲検索の解説です。
-
-
CakePHP3でページごとに読み込むJavaScript、CSSを変える処理の解説
CakePHP3でJavaScriptやCSSを編集する基本形から、それらやテンプレート(エレメント)を特定のテンプレートを読み込んだときのみ編集、実行するための方法、ブロック化について解説。
-
-
CakePHP3のCakeDC/Usersのバリデーションのカスタマイズ方法解説
CakeDC謹製Usersプラグインの紹介。Usersのカスタマイズとして入力項目のバリデーションの変更を、プラグインのファイルは触らずオーバーライドにより実装する方法を解説する。