MTAネットワークの基礎(98-366)の資格概要と受験対策、参考書、勉強方法情報
2021/09/04
MTAネットワークの基礎(98-366)の資格取得を目指す方へ
先日、「MTAネットワークの基礎(98-366)」の資格を取得してきました。
その「MTAネットワークの基礎(98-366)」の資格の概要と、受験対策として使用した参考書や勉強方法について情報提供をしようと思います。
MTAネットワークの基礎(98-366)のオフィシャルな情報
まずは「MTAネットワークの基礎(98-366)」についてのオフィシャルな情報です。
MTAネットワークの基礎(98-366)のオフィシャルサイト
https://mta.odyssey-com.co.jp/outline/
https://mta.odyssey-com.co.jp/outline/98-366.html
受験料 13,200円(12,000円+消費税)
※学生の場合は、7,700円(7,000円+消費税)
試験形式 CBT形式(Computer Based Testing形式)
試験会場 全国の CBT試験会場
※全国の試験専門施設や PCスクール、専門学校などの試験施設などで受験出来ます。
問題数 40問前後
試験時間 45分
試験概要
ネットワークの基本構造や概念、IPv4やIPv6、TCP/IPなどの通信プロトコル、ネットワーク接続に必要なハードウェアに関する知識とスキルを認定
出題範囲
- ネットワーク インフラストラクチャについて(30~35%)
- ネットワーク ハードウェアについて(20~25%)
- プロトコルとサービスについて(45~50%)
MTAネットワークの基礎(98-366)の資格のレベル感、受験申込み、受験会場について
「MTA」は「Microsoft Technology Associate(マイクロソフト テクノロジー アソシエイト)」の略で、Microsoftが主催し、技術力を認定する資格です。
Microsoftが主催していますので、採用されているアーキテクチャは Windowsがベースとなります。(「MTA」は Windowsに関する技術力を認定する資格という性格のものになります。)
また、「MTA」の「Fundamental」は、基礎知識を身につけている人材を認定する資格となりますので、試験のレベルとしてはエントリーレベルの資格となります。
試験形式は、CBT(Computer Based Testing)形式と呼ばれる、PC上に表示された試験問題に対して選択肢を選択したりキーボードでテキストを入力しながら回答をしていく形式の試験になります。(「MTAネットワーク」ではテキスト入力はありませんが。)
また、良くも悪くも試験終了直後に試験結果を確認することが出来ます。
受験はいつでも受けることが出来ます。
また、試験会場は CBT形式のテストを実施している試験専門施設や、PCスクールや専門学校に併設してある試験施設にて実施されています。
基本的にはいつでも受験出来ますが、受験可能な日時は、試験会場ごとに独自に設定してありますので、その設定されている日時の中から希望する日時を選択して受験することになります。
そのため、自身が希望する会場で希望する日時に自由に受験出来る、と言うものとは異なりますので、あらかじめ各試験開場ごとに開催されている日時を確認する必要があります。
また、試験会場ごとに、受験申込みの締め切り日時、キャンセル可能な日時、申込み後の日程変更可能な期限の日時なども異なりますので、申込みをする試験会場の条件がどうなっているのかは確認しておく必要があります。
MTAネットワークの基礎(98-366)はネットワークの基礎知識を測るのに最適な資格
昨今のシステムはネットワークなしに存在し得ませんので、「MTAネットワーク」はすべてのエンジニアが対象となる資格だと感じます。
エンジニアであるならばネットワークの基礎的な知識、理解を測るためにチャレンジしてみるといいのではないか、と。
Microsoftの資格ですので、アーキテクチャとしては Windowsが採用されています。
そのため、「ipconfig」「netstat」コマンドが出題されるなど Windows固有の設問もありますが、それは一部です。
一般的な概念として「OSI 7階層参照モデル」や「TCP/IP階層モデル」に基づき、幅広く知識を問う問題構成となっており、Windowsに関係なくネットワークの知識が求められる資格になっています。
そのため、Windows系の IISサーバの構築・運用をする方、社内の Windowsを中心としたネットワークを構築・運用する方はもちろんですが、Linux系の OS環境下で Webサイト、Webサービスの開発に携わる方もチャレンジする価値は十二分にあります。
Windowsはほとんど触ったことがなく、Unix/Linux系の OSがメインです、と言う方は Windows関連の技術やコマンドに対しては違和感を持つこともあるとは思いますが、Unix/Linuxにも似たようなコマンドがあり、Windowsとの違いを知ることが出来ますので、それはそれでメリットなのではないかと思います。
「MTAネットワーク」と「LPIC/LinuC」の比較
「独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)」が実施している資格試験のうち、エントリーレベルの資格としては、セキュリティ関連には「情報セキュリティマネジメント試験」がありますが、ネットワーク関連の資格には設定がありません。
そのため、私が資格を取得した「LPIC」の資格と比較をしてみようと思います。
LPICオフィシャルサイト
https://www.lpi.org/ja/
LinuCオフィシャルサイト
https://linuc.org/
まず、「LPIC(エルピック)」は「Linux Professional Institute Certification」の略で、カナダに本部がある非営利組織「Linux Professional Institute (LPI)」によって運営されている世界最大の Linux技術者の認定資格です。
また、「LinuC(リナック)」は「Linux Proffesional Certificate」の略で、日本に本部がある NPO法人「LPI-Japan」によって運営されている Linux技術者の認定資格です。
「LinuC」は、2018年3月1日より開始されたばかりの新しい資格試験で、正式名称は「Linux技術者認定試験 LinuC」です。
簡単に言うと、「LinuC」は「LPIC」から分離独立した感じですが、「LPIC」と「LinuC」との間に何があったかはさておき、いずれも Linuxの技術者を認定する資格になります。
「LPIC」も「LinuC」もいずれも Linux全般の知識、技術を測るための資格ですので、その試験範囲の大半は、Linuxのフォルダ構成やサーバとしての各種設定、コマンドの使い方など Linux固有の知識、技術を測るための資格になっています。
ですが、Linuxを Webサーバとして提供するためにはネットワークの知識は不可欠ですので、ネットワークに関連する内容も試験範囲に含まれています。
そのため、「LPIC」「LinuC」を受験する前に「MTAネットワーク」を受験し、ネットワークに関する基礎的な知識をしっかり固めておく方がいいのではないか、と感じます。
私は「MTAネットワーク」を受験するより前に「LPIC」の資格を取得しましたが、先に「MTAネットワーク」の方を勉強しておけばよかったな、と強く思いました。
それくらい、「MTAネットワーク」の資格対策の勉強はネットワークの基礎をしっかり学べると感じます。
「MTAネットワーク」と「MTAセキュリティ」との比較
「MTAセキュリティの基礎(98-367)の資格概要と受験対策、参考書、勉強方法情報」の「MTAセキュリティ」の記事の方にも書いていますが、「MTAネットワーク」と「MTAセキュリティ」の両方の資格取得を目指す場合は、「MTAネットワーク」を先に取得することをオススメします。
なぜならば、昨今のシステムはネットワークなしではあり得ませんので、セキュリティを学ぶにしてもネットワークの知識は不可欠です。
当然ながら、「MTAセキュリティ」にもネットワークに関連する設問も存在していますので、先に「MTAネットワーク」を受験し、ネットワークの知識をしっかり学んでおけば、改めてネットワークに関する勉強をしなくて済むかと思います。
「MTAネットワーク」と「MTAセキュリティ」の難しさの比較
「MTAネットワーク」と「MTAセキュリティ」を比較した場合、私個人としては「MTAセキュリティ」の問題の方が難しいと感じました。
理由は、Windows固有の設問(Windowsの設定画面について問われる設問)がいくつかありましたが、Windowsの設定画面の細かな項目名まではチェックしていなかったため、その点が対応出来なかったためです。
「MTAネットワーク」も、Windowsのコマンドなどは覚えておく必要があるものの、Windowsを開発端末として使用しているエンジニアであれば、一度くらいは見聞きしたことがあるコマンドなのではないかと思われ、Windowsのセキュリティ関連の設定画面のように全くの初見というものは限定的かと思います。
また、「徹底攻略MTAネットワーク問題集」と「徹底攻略MTA Security問題集」の内容を比較すると、「徹底攻略MTA Security問題集」の方が理解しやすいと思っていました。
そのため、「MTAセキュリティ」の試験で、初見の Windowsのセキュリティの設定画面についての問題に対峙したときに戸惑いが大きかったように思います。
これは全くもって私の主観ですが。
「MTAネットワーク」の受験対策の参考書
「MTAネットワーク」の受験対策の参考書として、下記の 2冊をオススメします。
「3分間ネットワーク基礎講座」
「3分間ネットワーク基礎講座」は、「MTAネットワーク」資格のための参考書ではありません。
ですが、「OSI 7階層参照モデル」を 1層から 7層までの技術を分かりやすく解説してある書籍になっており、ネットワークの知識や技術を基礎的なところからしっかり理解することが出来るような内容になっています。
「MTAネットワーク」の資格は関係なしに、システム開発の 2、3年目くらいの方が、ネットワークの基礎を学ぶために読んで欲しい内容の書籍と言えます。
この書籍にあるネットワークの知識がベースにあれば、システム開発をする際の礎となるだろうと感じます。
「徹底攻略MTAネットワーク問題集(98-366対応)」
続いて、「徹底攻略MTAネットワーク問題集」は「MTAネットワーク」受験のための対策の問題集です。
ネットワーク自体の勉強は、先に紹介した「3分間ネットワーク基礎講座」などの書籍で学ぶことは出来ますが、「MTAネットワーク」受験対策の問題集はコレ以外には存在しないようですので、問題集を求めるならば唯一の選択肢となります。
MTAの受験者がそれほど多くない資格だからだろうと思いますが、1冊だけでも問題集があるのはありがたいと感じます。
内容は、「MTAネットワーク」の試験範囲に即した内容の問題とその解説という構成になっており、問題を解きながら解説で設問の確認を行えるようになっています。
1~5章が練習問題で、6章が総仕上げ問題となっています。
1~5章の練習問題を解いて理解度を深め、受験前になってから 6章の総仕上げ問題で抜け漏れを確認する、と言った対応がいいのではないかと思います。
「3分間ネットワーク基礎講座」と「徹底攻略 MTAネットワーク問題集」の使い方
「徹底攻略MTAネットワーク問題集」は、「MTAネットワーク」の資格取得のために有用な問題集ですが、ネットワーク技術への理解を深めるにはやや不十分で、やはり「3分間ネットワーク基礎講座」も併読しながらネットワーク全体の理解を深める必要があるかと思います。
まず初めに、一度「徹底攻略MTAネットワーク問題集」を解いてみて、出題範囲、出題傾向、そして、正答率を確認してみるといいのではないかと思います。
その上で、試験範囲や出題傾向をイメージしながら「3分間ネットワーク基礎講座」を読んで、ネットワークの理解を深めていくのがいいのではないか、と感じます。
また、「MTA」は Windowsベースの設問があります。
Windowsのコマンドや Windowsの具体的な設定に関する問題については「3分間ネットワーク基礎講座」には載っていません。
そのため、「徹底攻略MTAネットワーク問題集」の解説では分からない場合は、ググって詳しく説明しているサイトなどを読んで知識を深めるといいでしょう。
「MTAネットワーク」試験対策の期間
私が「MTAネットワーク」の試験対策にかけた期間は 3ヶ月強です。
3ヶ月強かかりましたが、これくらいが限度ではないかと思います。(これの以上時間をかけても効率が悪くなるだろうと思います。)
1ヶ月くらい経つと問題集の最初の方に解いた内容は忘れてしまいますので、忘れないくらいの期間である 3週間くらいで 1冊を解き終えて、改めて最初からやり直すくらいのペースで問題集を解き、問題集を 3回くらい解いて頭に入れてから試験に臨む、という感じがいいのではないかと思います。
「MTAネットワーク」の場合は「3分間ネットワーク基礎講座」「徹底攻略MTAネットワーク問題集」の 2冊で対応しましたので、1冊 1回あたり 3週間で計算すると 18週間なので、ザックリと 3ヶ月強、と言った感じかと思います。
ちなみに、3周するうちの 2周目はじっくりとキーワードを確認する作業を行いました。
その際に作成したテキストファイルが下記になります。
MTAネットワークまとめテキスト
こうやってテキストにまとめることで理解が進み、記憶に残りやすくなります。また、試験前に全体を通して見直すときにも役に立ちます。
「徹底攻略MTAネットワーク問題集」と異なる出題方法
実際の試験問題の出題方法は、「徹底攻略MTAネットワーク問題集(98-366対応)」とは異なるものがいくつもあります。
「徹底攻略MTAネットワーク問題集(98-366対応)」では、設問に対して「3択・4択」の中から選択するという設問しかありませんが、実際の試験では多様な出題方法があります。
出だしの数問がいつもと違う出題方法であったり、正答がピンとこない設問だったりすると焦ることもあるかも知れません。
そんなときのために、多種多様な出題形式があるよ、と言うことだけでも覚えておくと少しは落ち着ける...かも知れません。
多種多様な出題形式については「MTAセキュリティの基礎(98-367)の資格概要と受験対策、参考書、勉強方法情報」にサンプルを記載していますので、あわせて参考にしていただければ、と思います。
「MTAネットワーク」資格試験についてのまとめ
「MTAネットワーク」はエントリーレベルの資格試験ですので、難しい問題はでませんが、基礎的なところはしっかり抑えておく必要があると思える資格試験です。
そのため、システム開発に携わる方であればネットワークの知識を高める、もしくは、確認するためにもチャレンジしてみる価値がある資格だと思います。
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