ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産のお金の流れを単純化し誰が儲かるのかを図解
ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産の利益の構造を解説
ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産のお金の流れを単純化し、誰が儲かるのかを図を書いて説明してみようと思います。
タイミング:A・最初の売買
「マイナー」は自身で採掘した暗号資産 100単位を「購入者1」~「購入者100」に 1単位ずつ、単価 1円で売却した。
・マイナーは 100単位の暗号資産を売却。
100円を入手。
・購入者 1~100は 1円ずつ支出。
1単位の暗号資産を入手。
・暗号資産の時価総額は 100円
(取引価格 1円 × 100単位)
マイナーとは
マイナーとは...
ビットコインなどの仮想通貨の取引が正常に行われたことを承認する処理(マイニング)を行う人たちのことです。
マイナーは処理の成功報酬として決められた数のビットコインなどの仮想通貨を受け取ります。
タイミング:B・1人の投資家が売買を実行
「購入者1」は「購入者101」に 1単位を100円で売却した。
・購入者 1は 1単位の暗号資産を売却。
100円を入手。
99円の利益確定。
・購入者 101は 100円を支出。
1単位の暗号資産を入手。
・購入者 2~100は変わらず。
99円の含み益。
・暗号資産の時価総額は 10,000円
(取引価格 100円 × 100単位)
タイミング:C・マイナーが暗号資産を買い戻し
「購入者2」~「購入者101」は 1単位ずつ「マイナー」に 単価 1円で売却した。
・購入者 2~100 は 暗号資産 1単位ずつを売却。
1円ずつ入手。
損益は 0円。
・購入者 101 は 暗号資産 1単位を売却。
1円を入手。
99円の損失確定。
・マイナーは 100円を支出。
暗号資産 100単位を入手。
・暗号資産の時価総額は 100円
(取引価格 1円 × 100単位)
暗号資産の売買による損益の確認
暗号資産の時価総額の展開
暗号資産の時価総額は
「A」の時点では 100円。
「B」の時点では 10,000円。
「C」の時点では 100円。
ストーリー展開としては、「時期A」から「時期C」になる間に、暗号資産の時価総額は 100円から 100倍の 10,000円になり、再び元の 100円に戻る、となっています。
最終的な損益の確認
その中で、暗闘資産に参加した方々の損益は以下となります。
マイナー 現金はプラスマイナスゼロ
暗号資産は 100単位所有
購入者1 99円の現金の利益
購入者2~100 現金、暗号資産ともにプラスマイナスゼロ
購入者101 99円の現金の損失
これから分かることは、暗号資産の取り引きは、ゼロサムゲームだと言うことです。
(「ゼロサムゲーム」とは、利益と損失を通算すると、結果が「ゼロ」になるというものを言います。)
「暗号資産」というデジタルデータ(信用情報?)をやりとりすることで、誰かが持っていた資産が他の誰かに移動する手続きをしているだけに過ぎないと言うことです。
暗号資産の時価総額が大きくなっても半減しても、トータルで何かの利益を生み出したわけではなく、誰かが持っていた資産を誰かに移動させただけ、と言うことになります。
誰かが利益を得たならば、誰かが同じ額の損失を出している、と言うことです。
FXも基本的にはゼロサムゲームですが、スワップポイントを元に金利が支払われますので、金利の分だけプラスサムゲームである可能性はありますね。
「プラスサムゲーム」とは、利益と損失を通算すると、結果が「プラス」になるものを言います。逆に、利益と損失を通算すると、結果が「マイナス」になるものを「マイナスサムゲーム」と言います。
株式市場の場合、景気が良く、企業が成長し利益を上げている状態であれば、その企業に投資している方々の損益を通算するとプラスになりますので、プラスサムゲームになります。
現実の取引は仮想通貨・暗号資産のみではない
さて、前項では仮想通貨・暗号資産の取引について解説しましたが、現実の取引においては上記の取引だけではありません。
「タイミングA」では「マイナー」から「購入者 1~100」に売却の取り引きが行われていますので、取り引きの延べ回数は 100回になります。
同じく、「タイミングB」では 1回、「タイミングC」では 100回の取り引きが行われ、合計で 201回の取り引きが行われていますす。
直接の取り引きであれば手数料等はかからないのかも知れませんが、一般的には取引所を介して取り引きを行いますので、売買の金額の一部を手数料として取引所に支払います。
また、「購入者1」は 99円の利益を出しています。
年間の利益が 20万円以下であれば税金はかかりませんが、20万円を超えた場合は納税が必要になります。
株式売買における利益は、申告分離課税の対象となりますので、利益の 20%が納税額となりますが、暗号資産は雑所得として扱われますので、給与収入が多い方は場合によっては 55%を超える納税率になる可能性もあります。
また、マイナーもまた損失を出している可能性があります。
マイナーはマイニングするために必要なパソコン・サーバを用意する必要がありますし、それらを稼働させる電気代も必要になります。
それらの投資額が、マイニングした暗号資産を売却した際に得られる額を超えていない場合は損失を被ることになります。
マイニングした暗号資産の市場が崩壊し、価値がゼロになってしまえば、投資額全てが損失になることにもなりかねません。
仮想通貨・暗号資産の取り引きで儲かるのはゴールドラッシュと同じ構図?
ビットコインなどの仮想通貨・暗号資産への投資に参加している方々のうち、一部の運がいい参加者は利益を得られる可能性はありますが、それ以外の参加者は含み損益に振り回されながら大した利益を上げることなく、もしくは、大きな損失を出して市場から退場していくのであろうと思います。
結果的に、仮想通貨・暗号資産市場が盛り上がることで利益を手にするのは、手数料収入を得る取引所を開設している事業者や、マイナーにマイニングのサーバなどの機器を提供しているハードウェアメーカーと言うことになるのでしょうか。
そして、濡れ手に粟の国税局!
もしくは、マイニングに必要な GPUを提供している NVIDIAの株価が値上がりすると予想できた NVIDIAへの投資家という感じでしょうか。
かつてのアメリカで起こったゴールドラッシュで一番儲かったのはリーバイスだった、と言われていますが、それと同じ様に、仮想通貨・暗号資産もそれに直接参加するのではなく、それに参加する方々に対してものやサービスを提供する方が結果的に長く利益を得られ続ける、と言うことなのかも知れません。
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