ECCUBEの問い合わせフォームに任意の値を引数として渡す方法
2017/03/12
ECCUBEの問い合わせフォームに値を渡す方法の解説
問い合わせフォームに値を渡す
ECCUBEで、上記の画面のイメージのように、お問い合わせフォームに値を渡せるようにする方法を解説します。
この記事では商品一覧ページから商品情報を引数に問い合わせをする想定にしていますが、ボタンが設置できれば引き渡すものは商品情報に限らずなんでも OKです。
また、この記事は、ECCUBE 2.13.3で確認を行いました。
2.12系では試していませんが、大きく違わなさそうなので動くんじゃないかと思います。
テンプレートファイルの修正箇所
「お問い合わせへ」のボタンの設置
最初に「お問い合わせへ」のボタンを設置です。
最初の画像のように商品一覧の場合は下記のファイルになります。
/data/smarty/templates/default/products/list.tpl
ボタンを設置したい場所に下記のコードを追加します。
ただし、これを設置する場所は、商品情報のページなどに編集する場合は、商品情報の <form> …… </form>の間ではないところに編集する必要があります。
1 2 3 4 5 6 |
<form method="POST" action="<!--{$smarty.const.HTTPS_URL}-->contact/<!--{$smarty.const.DIR_INDEX_PATH}-->"> <input type="hidden" name="<!--{$smarty.const.TRANSACTION_ID_NAME}-->" value="<!--{$transactionid}-->" /> <input type="hidden" name="mode" value="inquiry"> <input type="hidden" name="shohin" value="<!--{$arrProduct.name|h}-->"> <input type="submit" name="submit" value="この商品をお問い合わせ"> </form> |
「mode=inquiry」の時に「shohin」に商品情報を入れて POSTするという処理になります。
5行目の「shohin」の valueの値には「商品名($arrProduct.name)」を編集する処理になっていますが、違う値を編集する場合はここを変更してください。
<form> …… </form>の間に編集したい場合は、JavaScriptで POSTする方法を採る必要があります。
入力フォームのテンプレートに表示の追加
お問い合わせフォームの入力テンプレートに、送られてきた情報を編集する箇所を追加します。
対象ファイルは下記のファイルになります。
/data/smarty/templates/default/contact/index.tpl
以下が送られてきた情報を表示させる箇所です。テキストを表示させたい場所に追加をします。
if文で送られてきた値があるときだけ表示を行います。
1 2 3 4 |
<!--{if $arrForm.shohin.value}--> ■お問い合わせ商品: <!--{$arrForm.shohin.value|default:$arrData.shohin|h}--> <!--{/if}--> |
下記は、送られてきた情報を hiddenで保持するための設定です。
34行目あたりの「<input type=”hidden” name=”mode” value=”confirm” />」の次の行に編集するといいでしょう。
1 |
<input type="hidden" name="shohin" value="<!--{$arrForm.shohin.value|default:$arrData.shohin|h}-->" /> |
入力確認画面のテンプレートに表示の追加
お問い合わせフォームの入力確認ページに編集する箇所を追加します。
対象ファイルは下記のファイルになります。
/data/smarty/templates/default/contact/confirm.tpl
フォームの入力画面と同じく、テキストを表示させたい場所に追加をします。
1 2 3 4 |
<!--{if $arrForm.shohin.value}--> ■お問い合わせ商品: <!--{$arrForm.shohin.value|default:$arrData.shohin|h}--> <!--{/if}--> |
確認メールのテンプレートに表示の追加
入力完了後に送信される確認メールのメールテンプレートにも情報を編集する箇所を追加します。
対象ファイルは下記のファイルになります。
/data/smarty/templates/default/mail_templates/contact_mail.tpl
入力画面と同じく、テキストを表示させたい場所に追加をします。
1 2 3 |
<!--{if $arrForm.shohin.value}--> ■問い合わせ商品:<!--{$arrForm.shohin.value}--> <!--{/if}--> |
プログラムファイルの修正箇所
実際の処理をするプログラムの追加
最後に、実際に処理を行うプログラムファイルの変更を行います。
対象ファイルは下記のファイルになります。
/data/class/pages/contact/lc_page_contact.php
126行目あたりの「default:」の上あたりに編集をします。(82行目辺りにある「switch ($this->getMode()) {」の処理の分岐の一つとして、追加します。)
1 2 3 4 5 6 |
case 'inquiry': $this->lfInitParam2($objFormParam); $objFormParam->setParam($_POST); $this->arrErr = $objFormParam->checkError(); $this->arrForm = $objFormParam->getFormParamList(); break; |
最初のボタンの追加のところで説明した、「mode=inquiry」の時に「shohin」に商品情報が送られてくるため、それを受け取る処理になります。
3行目の「$_POST」で送信されてきた情報を受け取りますが、入っているのは「shohin」のみにします。
続けて、155行目辺りに下記を追加します。(「function lfInitParam(&$objFormParam)」の中の 1項目として追加します。)
1 |
$objFormParam->addParam('商品名', 'shohin', STEXT_LEN, 'KVa', array('SPTAB_CHECK', 'MAX_LENGTH_CHECK')); |
157行目辺りに下記を追加します。(「function lfInitParam(&$objFormParam)」の次の関数として追加をします。)
1 2 3 4 |
public function lfInitParam2(&$objFormParam) { $objFormParam->addParam('商品名', 'shohin', SMTEXT_LEN, 'KVa', array('EXIST_CHECK', 'SPTAB_CHECK', 'MAX_LENGTH_CHECK')); } |
関数「lfInitParam2」として、商品情報が送られてきた状態でお問い合わせに来る場合の関数として想定していますので、「EXIST_CHECK」を入れていますが、ない場合も想定する場合は「EXIST_CHECK」は外してください。
155行目に追加する方の行には、商品に関連しないお問い合わせの場合もあるため「EXIST_CHECK」は入れていません。(この場合は、「case ‘inquiry’:」を通らず、「default」の処理の方を通ります。)
以上の対応で、お問い合わせフォームに情報を引数で渡して、確認メールにもその情報を送れるようになります。
思っていたよりは簡単に出来ましたね。
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
QRコード(二次元バーコード)作成サービスを公開
QRコード(二次元バーコード)を生成するサービス。QRコードにする文字列を入力するだけで QRコードが簡単に作れる。オプションとして、画像サイズ、余白サイズ、エラー訂正レベルがある。
-
-
パーミッション(属性)一括変更ツール・WordPress最適化済
WordPressのパーミッション(属性)を一括変更するツールを作成!ファイル、フォルダのパーミッションが一覧表示でき、ファイルを選んでパーミッションの変更が行えます。
-
-
配列の値をテキスト表示する際に「、」でつなげるときの処理方法の一例
配列の値を「、」でつないで出力する際、単純にforeachで繰り返し処理をすると「イヌ、サル、キジ、」となるが文字列最後の「、」を出力しない方法を3つ解説している。
-
-
カオナビAPI Ver.2.0のtokenを取得する PHP+cURLのサンプルプログラム
PHPのcURLを使用してカオナビAPIのアクセスに必要なtoken、シートの情報を取得するサンプルプログラムを作成。cURLの処理は関数化しているため他のAPIでも流用できる。
-
-
cURLを利用する際の注意点「
&
」があるURLは「”
」で囲むcURLでURLはダブルクォーテーションで囲む。LinuxでもWindowsでもコマンドでは「&」は意味を持つ文字のためエラー原因になる。クォーテーションは常につけておく方が無難。
-
-
PHPのcURLでAPIやWebサイトへのアクセス方法。file_get_contentsとの比較
PHPからWebサイトにアクセスしてHTMLを取得、APIにアクセスして情報を取得する場合は、cURLがオススメ。file_get_contentsでも可能だがエラー制御に難がありトラブルのもとになる。
-
-
指定した数で文字列を丸める(n文字目で…にする)関数substr、mb_substr、mb_strimwidthの違い
文字列を指定された数で抜き出すPHPの関数、substr、mb_substr、mb_strimwidthについての解説。似た関数だが引数の指定方法が違ったり、文字数がバイト数か文字数かも違ったり、注意が必要だ。
-
-
include、requireのパス指定をdirname(__FILE__)、__DIR__と書く理由
include、requireのパスの指定を dirname(__FILE__)、__DIR__で記述する理由に付いて解説。相対パス、絶対パスを直書き、パスを書かない場合は何が問題かを説明。
-
-
PHP range関数を使って階乗と重複組み合わせを計算
PHPの range関数を使って階乗と重複組み合わせを計算し、それを元に乱数発生器を作成しました。
-
-
JSON形式の値を配列形式に変換・PHPでは json_decode()、json_encode()
JSONとは「JavaScript Object Notation」の略でテキストベースのデータフォーマット。JSONの値をPHPで配列に変換するWebツールの紹介とその処理「json_encode()」「json_decode()」関数の解説。