CakePHP4、5で$_SERVERと同じようにURIを取得する「getUri()」の紹介
2025/03/23
CakePHP4系、5系でRequestオブジェクトでは取得できないURI情報を取得する方法
「getParam('action')で取得するアクション名は別関数に移動しても不変」
上記の記事で、CakePHP4系、CakePHP5系で実行しているコントローラー、アクション名を取得する方法について解説しました。
「$this->request->getParam('controller')」「$this->request->getParam('action')」は、Requestオブジェクトの情報を取得していますので、アクセスした後のプログラム内での処理によって変化する情報ではありません。
ルーティングの設定によって、アクセスする URLと実行するコントローラー、アクションが異なっていても、実際にアクセスするコントローラー、アクション名が取得されます。
というのが、記事の概要です。
この記事では、「じゃぁ、URL(URI)の方の情報を取得するときはどうするの?」という解説を行います。
CakePHP4系、CakePHP5系で URI情報は関数「getUri()」で取得する
CakePHP4系、CakePHP5系では「getUri()」という関数が用意されています。
この「getUri()」を使用することでアクセスの URI情報を取得することができます。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 |
// 実行関数 $this->request->getUri(); // 実行結果 Laminas\Diactoros\Uri Object ( [allowedSchemes:protected] => Array ( [http] => 80 [https] => 443 ) [scheme:Laminas\Diactoros\Uri:private] => http [userInfo:Laminas\Diactoros\Uri:private] => [host:Laminas\Diactoros\Uri:private] => example.com [port:Laminas\Diactoros\Uri:private] => 80 [path:Laminas\Diactoros\Uri:private] => /sample/test01/1 [query:Laminas\Diactoros\Uri:private] => aaa=111 [fragment:Laminas\Diactoros\Uri:private] => [uriString:Laminas\Diactoros\Uri:private] => ) |
URI情報を個別に取得する関数も用意されている
上記のように「getUri()」を実行すると、URI情報がまとめて取得できます。
CakePHPでは、これに加え、「getUri()」によって取得した情報を個別に取得する関数も用意されています。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
// アクセスの URL // http://example.com/sample/test01/1?aaa=111 // 「/sample/test01/1」を取得 $this->request->getUri()->getPath(); // 「80」を取得 $this->request->getUri()->getPort(); // 「aaa=111」を取得 $this->request->getUri()->getQuery(); // 「example.com」を取得 $this->request->getUri()->getHost(); // 「http」を取得 $this->request->getUri()->getScheme(); |
PHPにはURI情報を取得する「$_SERVER」が用意されている
そもそもの話ですが、PHPにはサーバ情報、環境情報は「$_SERVER」に入っていますので、下記のように PHPの標準処理を利用して URIの情報を取得することもできます。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 |
// アクセスの URL // http://example.com/sample/test01/1?aaa=111 // 「/users/menu/1?aaa=111」を取得(「getPath()」とは値が異なる) $_SERVER["REQUEST_URI"]; // 「80」を取得 $_SERVER["SERVER_PORT"]; // 「aaa=111」を取得 $_SERVER["REDIRECT_QUERY_STRING"]; // 「example.com」を取得 $_SERVER["SERVER_NAME"]; // 「http」を取得 $_SERVER["REQUEST_SCHEME"]; |
「getPath()」など、取得できる情報が少し異なる場合もありますが、取得できる情報は「$_SERVER」の方が多様ですので、CakePHP独自の「getPath()」を使用する必要があるのか、という疑問はありますね。
PHPオフィシャル $_SERVER
https://www.php.net/manual/ja/reserved.variables.server.php
CakePHP5の関連記事
CakePHP4、5のユーザ認証でID、PASS以外の削除フラグなども条件加える方法CakePHP4、CakePHP5系の認証処理でログインの有無の確認、ユーザ情報の取得の方法
CakePHP4、5で$_SERVERと同じようにURIを取得する「getUri()」の紹介
getParam('action')で取得するアクション名は別関数に移動しても不変CakePHP4系、CakePHP5系のexists()でカラムを指定して値の有無をチェックする方法解説
CakePHP4、5のnewEmptyEntityで作成したオブジェクトは空なのか、確認してみた
CakePHP4、5でSELECT telephone as tel FROM usersの様にasでカラムに別名を付ける方法
CakePHP4、5の認証処理で認証が通らない際の確認方法と確認箇所の紹介
CakePHP5系で認証機能のAuthenticationプラグインをインストール・エラー発生注意
CakePHP5でヘルパーから他のヘルパーを読み込む方法・CakePHP4からの変更点
その他の「CakePHP5」に関する記事一覧
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
CakePHP3でデータを保存する save()で発生するエラーを確認する方法を解説
CakePHP3でデータ保存処理のログを取得する方法。save()では true、falseの戻り値しか取得できないが、saveOrFail()と try…catch文を使いエラーログ、エンティティを取得し、不具合の解析を行う。
-
-
CakePHP3で環境変数を設定して本番環境と開発環境を分けて処理をする場合
CakePHP3で開発環境と本番環境とで違う設定ファイルを読み込ませて環境ごとに定数を切り替える方法を解説。Apacheのhttpd.confに環境変数を設定し、それを読み込み判別する。
-
-
CakePHP3でcomposerを利用してライブラリ・プラグインをインストールする方法
CakePHP3でcomposerを使ってパッケージ(ライブラリ、プラグイン)をインストールする方法の解説。PHPを使うのはCakePHP3が初めてというような方への使い方から解説。
-
-
CakePHP3のルーティング(routes.php)の変更が反映されない時はキャッシュのクリアを
CakePHP3でルーティングの設定変更をしたけど反映されない!そんなときは慌てず騒がずキャッシュをクリアしよう!ルーティングの設定もキャッシュされることがあるらしい。
-
-
CakePHP3のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説・3.6以降対応
CakePHP3のユーザ管理プラグイン Usersは、ユーザ登録、メール認証、ログイン認証、ユーザ管理、権限管理、reCAPTCHAなど会員制のサイトを簡単に実現可能。その導入方法、カスタマイズ方法を解説。
-
-
CakePHP3のUpload Plugin 3.0をバリデーションなど実運用向けのカスタマイズ方法解説・その2
CakePHP3でファイル、画像をアップロードするプラグイン、upload plugin 3を導入する手順を解説した記事。3部作のその2でバリデーションなどの実用的なカスタマイズ方法を解説。
-
-
CakePHP4で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法
CakePHP3で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法を解説。複数の方法があるが、getParam()メソッドを使う方法が汎用性があって便利かも。
-
-
CakePHP 2.3 連携先のテーブルの項目で条件抽出する場合
アソシエーション(連携)している先のテーブルの項目で条件抽出する際の考え方と注意点をサンプルソースを用いて説明しています。
-
-
CakePHP4の規約外のカラムをキーにアソシエーション(テーブル連結)する方法
CakePHPで規定外のカラム名のキーを指定してアソシエーション(テーブル連結)をする方法を解説。アソシエーション名によってはミスが発生しやすい点もあるので注意も必要。
-
-
CakePHPのFlashエラーは出るが入力項目ごとのメッセージが出ないエラーの原因
Bakeして自動生成した入力フォーム処理を元に少し処理を追加したら、入力エラーがあってもエラーメッセージが表示されなくなった。原因はリダイレクトの処理にあった。