CakePHP5でヘルパーから他のヘルパーを読み込む方法・CakePHP4からの変更点
2025/01/31
CakePHP5でヘルパーから他のヘルパーを読み込む方法・CakePHP4からの変更点
CakePHP5でオリジナルのヘルパーを作成し、そのヘルパー内で HTMLヘルパーや Formヘルパーなどを使用する場合もあるかと思います。
https://book.cakephp.org/5/ja/views/helpers.html#id10
ですが、上記の日本語の Cookbookは間違っておりまして、そのままでは動作しません。
また、CakePHP4のソースをそのままコピペしても動作しませんので、併せてご注意ください。(上記の Cookbookのソースは CakePHP4の時のものとなっています。)
次項が正しいソースとなりますのでご注意ください。
CakePHP5でヘルパーから他のヘルパーを読み込む際の正しいソースコード
/src/View/Helper/LinkHelper.php
上記に「LinkHelper.php」というオリジナルのヘルパーファイルを作成したとします。
この時の正しいソースコードは下記となります。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 |
<?php namespace App\View\Helper; use Cake\View\Helper; class LinkHelper extends Helper { protected array $helpers = ['Html']; public function makeEdit($title, $url) { // 出力に HTML ヘルパーを使用 // 整形されたデータ: $link = $this->Html->link($title, $url, ['class' => 'edit']); return '<div class="editOuter">' . $link . '</div>'; } } |
CakePHP5の日本語 Cookbookの間違い箇所、および、CakePHP4からの変更点
https://book.cakephp.org/5/ja/views/helpers.html#id10
下記のソースコードは上記の CakePHP5の日本語 Cookbookに記載があるソースコードです。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 |
<?php namespace App\View\Helper; use Cake\View\Helper; class LinkHelper extends Helper { public $helpers = ['Html']; public function makeEdit($title, $url) { // 出力に HTML ヘルパーを使用 // 整形されたデータ: $link = $this->Html->link($title, $url, ['class' => 'edit']); return '<div class="editOuter">' . $link . '</div>'; } } |
先に紹介した正しいソースコードと何が違うかというと、8行目の「$helpers
」の前に型を定義する「array」があるかどうか、です。
「array」を付けると正しく動作します。
1 2 3 4 5 |
//【正しい記述】 protected array $helpers = ['Html']; //【間違いの記述】 public $helpers = ['Html']; |
「protected」か「public」かの違いもありますが、これはどちらでも動作します。
(「protected」と「public」の違いが分からない方は別途調べてみてください。)
Fatal error: Type of App\View\Helper\LinkHelper::$helpers must be array
のエラーメッセージが表示される
間違っている方の記述で実行すると、下記のようなエラーメッセージが表示されます。
「Fatal error: Type of App\View\Helper\LinkHelper::$helpers must be array (as in class Cake\View\Helper) in C:\xampp\htdocs\src\View\Helper\LinkHelper.php on line 6
」
「$helpers
は配列型である必要があるよ」というエラーなので、型を指定すればよさそうだということに気づく可能性はゼロではありませんが、公式の Cookbook通りに記述しても動作しないので、延々と悩んでしまいました。
ちなみに、最初の正しいソースコードは、下記の英語版の Cookbookに記載があるソースコードです。
https://book.cakephp.org/5/en/views/helpers.html#including-other-helpers
というワケで、日本語の Cookbookで動作しない場合は、英語版の Cookbookを参照してみるのもいいかもしれません。
CakePHP5の日本語 Cookbookの間違いの原因は CakePHP4のソースコードのままである点
なぜ、日本語の公式 Cookbookのソースコードが間違っているか、というと CakePHP4のヘルパーのソースコードがそのままコピペされていて、CakePHP5版に変更されていないためです。
CakePHP4 Cookbook ヘルパー
https://book.cakephp.org/4/ja/views/helpers.html#id10
というワケで、オリジナルのヘルパーから他のヘルパーを読み込む処理で、CakePHP4と CakePHP5との違いは、ここで紹介した「$helpers
」の型指定の「array」の有無ということになります。
CakePHP4のソースコードを利用して CakePHP5の開発を行う際は、この点を注意する必要があるということになりますね。
CakePHP5の関連記事
CakePHP4、5のユーザ認証でID、PASS以外の削除フラグなども条件加える方法CakePHP4、CakePHP5系の認証処理でログインの有無の確認、ユーザ情報の取得の方法
CakePHP4、5で$_SERVERと同じようにURIを取得する「getUri()」の紹介
getParam('action')
で取得するアクション名は別関数に移動しても不変CakePHP4系、CakePHP5系のexists()でカラムを指定して値の有無をチェックする方法解説
CakePHP4、5のnewEmptyEntityで作成したオブジェクトは空なのか、確認してみた
CakePHP4、5でSELECT telephone as tel FROM usersの様にasでカラムに別名を付ける方法
CakePHP4、5の認証処理で認証が通らない際の確認方法と確認箇所の紹介
CakePHP5系で認証機能のAuthenticationプラグインをインストール・エラー発生注意
CakePHP5でヘルパーから他のヘルパーを読み込む方法・CakePHP4からの変更点
その他の「CakePHP5」に関する記事一覧
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
CakePHP3で保存前にバリデーション結果を取得する2つの方法
CakePHP3でデータベースに値を保存する前にバリデーションを行い、その結果によって処理を振り分ける方法について解説。「$topic->errors()」と「$topic->hasErrors()」の2つの方法がある。
-
-
CakePHP3でファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その1
CakePHP3でファイルをアップロードする処理を、php.netにある「エラーを起こさない」と説明がある処理を参考に作成。サンプルソースとその解説付きで、コピペでも動くし、カスタマイズも簡単!
-
-
CakePHP3の検索プラグイン「friendsofcake/search」の設置方法・CakePHP3.6対応
CakePHP3で検索を担うプラグイン「friendsofcake/search」の紹介。基本的な設置方法の紹介のほか、処理の記述方法のバリエーション、エラーの解説など。CakeDC/searchより導入は簡単!
-
-
CakePHP3でDocumentRootやwebroot、imgフォルダのURLやドメイン、パスを取得
URLやドメイン、フォルダへのパスの取得は、ビューではUrlHelperを使い、コントローラーではRouterクラスを使います。第2引数の指定でURLを取得することも可能。
-
-
CakePHP3のOGPはHTMLヘルパーの$this->Html->meta()を使って設定
CakePHP3でOGPを設定する方法を解説。metaタグを編集するHTMLヘルパーを利用してOGPのタグを編集する。また、エレメントとして分割することでメンテナンス性も向上させる。
-
-
CakePHP4のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説
CakeDC謹製Usersプラグインの紹介。ユーザ新規登録の流れを紹介しつつ、テンプレートファイル、設定情報ファイルの場所とそれらをカスタマイズする方法を説明します。
-
-
CakePHP3のcontroller内でテンプレート、レイアウトを変更する際の指定方法
CakePHP3でテンプレートファイルやレイアウトファイルをデフォルトのものから別のものに変更したい場合の指定方法を解説。
-
-
CakePHP3でDocumentRootやtmp、webroot、logsなどのフォルダへのパスの定数
CakePHP3で特定フォルダのパスの定数を解説。root、DocumentRoot、app、config、webroot、tests、tmp、cache、vendor、コア、コアの srcが設定済み。realpath()関数を使うと柔軟なパス指定が可能。
-
-
CakePHP3で生の SQLの実行はConnectionManagerを使う
CakePHP3で生の SQL文を実行する方法を解説。クリエビルダーを使う場合は TableRegistryを利用するが、SQLを実行する場合は ConnectionManagerを使う。プリペアードステートメントの使用方法も解説。
-
-
Windows上のXAMPP環境のCakePHPのコマンド実行時に環境変数を指定する方法
CakePHP4のコマンド(シェル)に対して、環境変数を指定して実行する方法を解説。LinuxとWindows上のXAMPPとでは記述方法が異なるため、Windowsのsetコマンドについても詳細解説。