CakePHP3のCakeDC/UsersのUserHelperでログアウトやreCAPTCHAをカスタマイズ
2019/03/26
CakeDC/Usersでログアウトやリンク、reCAPTCHAを実装
「CakePHP3のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説・3.6以降対応」の記事で、CakePHP3で CakeDC/Usersを使ってログイン認証機能を実装する手順を解説しました。
また「CakePHP3のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説」の記事では、ユーザ登録の流れをベースにテンプレートのカスタマイズの解説をしました。
今回の記事では、「CakePHP3のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説」の記事では解説しきれていなかった、UserHelperを活用したテンプレートのカスタマイズ方法を解説します。
CakeDC/Usersの UserHelperを使用
UserHelperを使うには、AppView.phpにヘルパーをロードする設定を行います。
設定を行う対象ファイルは以下になります。
/src/view/AppView.php
AppView.phpに下記の 5~6行目のコードを追記します。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
class AppView extends View { public function initialize() { parent::initialize(); $this->loadHelper('CakeDC/Users.User'); } } |
この記述は、CakeDC/Usersの関連ページで UsersHelperを使う場合にはなくても問題ありません。
ですが、CakeDC/Users以外のページで UsersHelperを使う場合には必要になります。
Logout link
ログアウトのリンクを編集する場合は、下記のコードを追加します。
ログアウトのリンクは、このリンクをクリックするとログアウト処理が実行されるリンクで、アプリケーションのどこにでも追加可能です。
1 |
$this->User->logout(); |
RBAC link
リンク先のページにアクセス権があるかどうかをチェックして、権限があればリンクを設定するリンク設定です。
1 2 3 4 5 6 7 8 |
【CakePHP3.2.0まで】 $this->User->link(); 【CakePHP3.2.1以降】 $this->AuthLink->link(); 【具体的なリンクの設定方法】 $this->AuthLink->link(__d('CakeDC/Users', 'New {0}', $tableAlias), ['action' => 'add']) |
RBAC linkは、CakePHPの 3.2.1の以前、以降で推奨されている記述の方法が変更になっています。
CakePHP3.2.1 以降では、UserHelper::link() は推奨されていませんので、AuthLinkHelper::link() を使いましょう。
※下記の GitHubのドキュメントでは、まだ CakePHP3.2.1以降で推奨設定が変更になったことの記載がありません。
https://github.com/CakeDC/users/blob/3.1.5/Docs/Documentation/UserHelper.md
Welcome and profile link
このリンクを書くと「Welcome, ユーザ名」のメッセージとともに、プロフィールページ(http://example.com/users/users/profile)へのリンクが設定されます。
1 |
$this->User->welcome(); |
CakeDC/Usersで reCAPTCHAを使う方法
CakeDC/Usersにあらかじめ設定されている reCAPTCHA
CakeDC/Usersでは、あらかじめ、ユーザ登録時とログイン時に reCAPTCHAが使えるように設定されています。
ユーザ新規登録画面
http://example.com/users/users/register
ログイン画面
http://example.com/login
reCAPTCHAの設定手順1・/config/users.phpを編集
reCAPTCHAを有効にするには、「/config/users.php」に下記の内容を追記します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 |
<?php use Cake\Core\Configure; use Cake\Routing\Router; $config = [ 'Users' => [ 'reCaptcha' => [ //reCaptcha key goes here 'key' => "AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA", //reCaptcha secret 'secret' => "AAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA", //use reCaptcha in registration 'registration' => true, //use reCaptcha in login, valid values are false, true 'login' => true, ], ], ]; return $config; |
上記の reCAPTCHAの設定情報は、CakeDC/Usersの標準設定情報が保存されている「/vendor/cakedc/users/config/users.php」にもありますので、そちらを変更しても動作します。
ですが、通常は標準設定情報は変更せず、「/config/users.php」にファイルを作成し、こちらに変更した設定情報を追加していく方法を採ります。
「/config/users.php」ファイルがない場合は新規作成をし、すでにある場合は 6~17行目を追記してください。
また、「/config/users.php」を有効にするには「bootstrap.php」に追記が必要です。
編集するファイルは下記になります。
/config/bootstrap.php
下記の 1行目の記述を追加します。
1 2 |
Configure::write('Users.config', ['users']); Plugin::load('Users', ['routes' => true, 'bootstrap' => true]); |
詳しくは「CakePHP3のCakeDC/Usersのログイン後のリダイレクトとユーザ権限管理の設定解説」を参照してください。
reCAPTCHAの設定手順2・users.phpの編集内容の解説
「key」「secret」の値は、サイトごとに固有の値を設定します。
Googleの reCAPTCHAの登録ページからサイトを登録して、そのサイト用の値を取得してください。
取得の方法は「Google reCAPTCHAのSite key、Secret keyの取得方法・20170408バージョン」に記載しましたので参照してください。
また、「registration」「login」は、それぞれ、ユーザ新規登録時の画面、ログイン画面での reCAPTCHAを使用するか、使用しないかを設定する項目です。
trueにすると使用する設定になり、falseは使用しません。
ちなみに、「key」「secret」を nullのまま「registration」「login」を trueにすると、「reCaptcha is not configured! Please configure Users.reCaptcha.key」というエラー画面になります。
間違った「key」「secret」を設定すると「サイト所有者のエラー:サイトキーが無効です」のエラー画面になります。
登録したドメインと違うドメインの場合は「localhost は、このサイトキーでサポートされているドメインのリストに含まれていません。」というエラーになります。
reCAPTCHAの設定手順3・google/recaptchaのインストール方法の解説
手順2までを終わらせると、reCAPTCHAの画像が表示されるようになります。
最後に reCAPTCHAを動作させるために必要なプラグインをインストールします。
SSHで接続し、CakePHP3をインストールしているルートフォルダに移動して、下記のコマンドを実行し「google/recaptcha」をインストールします。
1 |
$ composer require google/recaptcha |
CakeDC/Usersでの reCAPTCHAの基本形
ユーザの新規登録時や、ログイン時に reCAPTCHAを利用する場合は、Site key、Secret keyを指定するだけで利用できるようになっています。
ですが、それ以外のテンプレートで使用したい場合は、下記の 2つのコマンドを追加することで利用することもできます。
1 2 |
$this->User->addReCaptchaScript(); $this->User->addReCaptcha(); |
詳しい使い方は、新規登録画面、ログイン画面の処理を参考にするといいでしょう。
CakePHP3のCakeDC/Usersの関連記事
CakePHP3の CakeDC/Usersを使うために、基本となるインストールの方法から入力画面のテンプレートのカスタマイズや、リダイレクトの設定など、CakeDC/Usersに関する記事を下記に書いています。
あわせて参考にしてみてください。
CakePHP3のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説・3.6以降対応
CakePHP3のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説
CakePHP3のCakeDC/Usersのログイン後のリダイレクトとユーザ権限管理の設定解説
Google reCAPTCHAのSite key、Secret keyの取得方法・20170408バージョン
CakePHP3のCakeDC/Usersのバリデーションのカスタマイズ方法解説
CakePHP3の関連記事
CakePHP4のCSS、JavaScript、画像のブラウザへのキャッシュをコントロールするCakePHP3でレコードを保存(追加、更新、Insert、Update)する複数の方法を紹介
CakePHP3でモデルなしフォームからCSVをアップロードしレコードを更新する方法解説
CakePHP3でPHP Simple HTML DOM Parserを使ってスクレイピングする方法
CakePHP3のInsert On Duplicate Key Update(upsert)構文を解説・バルク処理も
CakePHP3の1対多での連携を中間テーブルを使った多対多の連携に変更するときの手順
CakePHP3でデフォルトのソート条件を設定してユーザの選択肢たソート条件を有効にする方法
CakePHP3で Ajaxを使う方法の解説。3.6以降対応。Successとthenの両方を解説。
CakePHP3でパンくずの指定は HTMLヘルパーを使って指定する方法を解説
CakePHP3にOGPをfetch、asignを利用してテンプレートごとに指定する方法を解説
その他の「CakePHP3」に関する記事一覧
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
CakePHP3で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法
CakePHP3で現在処理しているコントローラー名、アクション名を取得する方法を解説。複数の方法があるが、getParam()メソッドを使う方法が汎用性があって便利かも。
-
CakePHP3にデザインテンプレートBootstrapを導入する方法・friendsofcake/bootstrap-ui使用
CakePHP3にプラグイン「friendsofcake/bootstrap-ui」、デザインテンプレート「Bootstrap」を設置する手順を解説。Bootstrapの簡単な使い方やデフォルトのデザインとの混在方法なども解説。
-
CakePHP3でモデルなしフォームからCSVをアップロードしレコードを更新する方法解説
CakePHP3でCSVファイルをアップロードしレコードを追加、更新する処理の作成方法の解説。モデルとは直接関連しないフォームからCSVファイルをアップロードするため汎用的に使用可能。
-
CakePHP3の画像、ファイルアップロードプラグインUpload Plugin 3.0の設置解説・その1
CakePHP3でファイル、画像をアップロードするプラグイン、upload plugin 3を導入する手順を解説した記事。3部作のその1で基本的な導入方法の解説で読みながら簡単に導入が可能。
-
CakePHP4で複数の引数(パラメータ)を付与してコマンドを実行する方法
CakePHP4でコマンドを実行する際に引数(パラメータ)をコマンド内で受け取る処理について解説。複数個の引数にも対応する記述方法も解説。
-
CakePHP3のビューで受取ったテーブルのオブジェクトを連想配列に変換する方法
コントローラーからビューに送ったテーブルのオブジェクトを連想配列に変換し、ビューの中で自由に使えるようにするメソッド「toArray()」の解説。連想配列に変換できれば利用度アップ!
-
CakePHP3でアソシエーション先のカラムでデータをソートして取得したい
アソシエーション先のテーブルのカラムをキーにソートをしたデータを取得したい!ときの記述方法を解説。「orderAsc()」ではなく「contain()」の中にSort条件を記述する。
-
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その4前方一致検索、後方一致検索、不等号による検索、between句による範囲検索
CakePHPの検索プラグイン Search Pluginの検索処理の中で前方一致検索、後方一致検索、不等号による検索、between句による範囲検索の解説です。
-
CakePHP4でcontrollerで実行したバリデーションエラーをmodelのにマージする方法
CakePHP4でcontrollerで実行したバリデーションの結果をModelのバリデーション結果に追加するメソッド「setError()」「setErrors()」の使い方の解説。
-
CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その5入力項目に複数項目入力した場合の AND検索、OR検索
CakePHPの検索プラグイン Search Pluginの検索処理の中で複数項目を入力した場合の AND検索、OR検索についての解説です。