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CakePHP3の1対多での連携を中間テーブルを使った多対多の連携に変更するときの手順

      2020/04/18

CakePHP3で「1対多」から「多対多」の連携に変更する手順

 

「1対多」と中間テーブルを使った「多対多」連携について

 
CakePHP3で「1対多」のテーブル連携を、中間テーブルを利用した「多対多」のテーブル連携方式に変えるときの手順を紹介します。
 
CakePHP3の1対多での連携を中間テーブルを使った多対多の連携に変更するときの手順
 
 
どのような場合に必要になるか、というと
 
例えば、
Topics、Categoriesというテーブルがあるとします。
Topicsは Categoryによって分類されています。
 
当初は、Topicsの記事はそれぞれに 1つの Categoryが割り当てられていました。
ですが、運用を始めてみたら、Topicsの記事は複数の Categoryにまたがるものもあることが判明しました。
 
そのため、それまでは「1対多」だったテーブル構成を、中間テーブル作成して「多対多」に対応できるようにすることにしました。
 
その時の対応方法の手順の紹介です。
 
 
サンプルの「categories」と「topics」のテーブルは以下の想定です。
 

 
 
カテゴリは、下記の記事でも紹介していますが、CakePHP3のブログチュートリアルにあるツリービヘイビアの機能を利用したカテゴリの構造になっています。
CakePHP3のfriendsofcake/searchでツリーカテゴリーの子階層も含めて検索する方法
 
 

「1対多」から中間テーブルを使った「多対多」連携に変更する手順

 
先に、「例えば」と書いてしまいましたが、まさに、今回私が必要になった状況です。
最初は Topicsに対して 1つの Categoryで足りると思っていましたが、topicsの内容によっては複数の Categoryに属する場合があり、対応を迫られたのです。
 
 
CakePHP3で中間テーブルを利用した処理は下記の検索処理などで使っていました。
CakePHP3のfriendsofcake/searchでブックマークチュートリアルのタグ検索を実装
 
そのため、構築の仕方は理解していましたが、今回の対応を行うときに対応漏れがあり、うまく動かずに悩んだことがありました。
そのため、今後のためにも手順を記録しておくことにしました。
 
 

中間テーブルを作成する

 
まず最初に中間テーブルを作成します。
中間テーブルは、「topic_id」と「category_id」を持つテーブルです。
 

 
 

「category_id」カラムを削除

 
Topicsテーブルから不要になる「category_id」カラムを削除します。
(削除しなくても問題は発生しませんが、不要なカラムは削除する方が望ましいでしょう。)
 

 
 

TopicTable.phpの更新

 
続いて、Tableファイルの更新になりますが、「TopicTable.php」と「CategoriesTable.php」とそれぞれ変更する箇所があります。
 
 
まず初めに「TopicTable.php」は、下記の通り、「Categories」テーブルとの「belongsTo」を止めて「belongsToMany」に変更します。
 
/src/Model/Table/TopicTable.php

 
 

CategoriesTable.phpの更新

 
「CategoriesTable.php」は、下記の通り、「Topics」テーブルとの「belongsToMany」を追加します。
今回は設定がありませんでしたが「hasMany」の設定をしている場合は、その処理は削除します。
 
/src/Model/Table/CategoriesTable.php

 
 

inputTopics.phpの更新

 
カテゴリの選択する箇所のテンプレートを更新します。
ここでは、マルチセレクト(複数選択式)のセレクトボックスを設定しています。
 
/src/Template/Element/inputTopics.php

 
 

Entity/Topic.phpの更新

 
ここ以降の項目が対応忘れが発生しやすい箇所になります。
 
まず 1つ目が「Entity」です。
下記のように「category」は「categories」のように複数形になります。
コメントにも書いていますが、これを記述していないと値が保存されません。エラーは出ませんので原因を特定しにくいエラーです。
 
'*' => true,」で設定している場合は特に対応は必要ありません。
 
/src/Model/Entity/Topic.php

 
 

TopicsController.phpの変更

 
コントローラーの変更ポイントです。
get()や find()で値を取得する際に、関連テーブルとして「Categories」を指定する必要があります。
コメントに書いていますが、これがないと、テーブルには保存されたレコードがあるのにも関わらず、その情報が更新画面に出てこない、というエラーになります。これもエラーが出ないため、原因を特定しにくいエラーです。
 
 
/src/Contorller/TopicsController.php

 
 

中間テーブルを使った「多対多」の項目「category_id」を検索条件にする場合の TopicsController.phpの変更

 
単純に指定したレコードだけを get()で取得する場合は問題ありませんが、「category_id」を検索条件に検索する場合は記述する内容が大きく変わります。
 
/src/Contorller/TopicsController.phhp

 
細かなところですが、条件の「"category_id"=>$categoryId]」の「$categoryId」を変数とするなら「use($categoryId)」の記述が必要です。
$categoryId」を変数ではなく値を直接記述する場合は use句は記述する必要はありません。
 
 
CakePHP3の ORM matchingメソッドについて詳しく知りたい場合は、下記の記事などを参考にしてみてはいかがでしょうか?
https://s8a.jp/cakephp-3-matching
https://book.cakephp.org/3.0/ja/orm/query-builder.html#id17
 
 

view.ctpの変更

 
最後に、データの取り出しの際も変更の注意点があります。
「category」は複数入ることがあるためここも複数形の「categories」にする必要があります。
 
/src/Template/Topics/view.ctp

 
 

CakePHP3で中間テーブルを扱う場合の関連記事

 
中間テーブルはちょっとだけ仕組みの理解が必要なため、中間テーブルについてもう少し理解を深めたい、という場合もあるでしょう。
そういう場合は下記の記事なども参考になるかと思います。
 
CakePHP3のfriendsofcake/searchでブックマークチュートリアルのタグ検索を実装
 
CakePHP3 ブログチュートリアル
https://book.cakephp.org/3/ja/tutorials-and-examples/blog/blog.html
 
 

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その他の「CakePHP3」に関する記事一覧
 
 

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