CakePHP4のCakeDC/Usersの Usersへの接続、バリデーションのカスタマイズ方法解説
2022/07/19
CakeDC/Usersの Usersテーブルへの接続、バリデーションのカスタマイズ方法解説
「CakePHP4のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説」の記事で、CakePHP4で CakeDC/Usersを使ってログイン認証機能を実装する手順を解説しました。
また、「CakePHP4のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説」の記事で、HTMLのテンプレートを変更する解説をしました。
今回の記事では、その時に解説できなかった、入力画面でのバリデーションのカスタマイズ方法について解説します。
また、CakeDC/Usersをインストールすると、CakeDC/Usersで使用する Usersテーブルの Modelは「/vendor/cakedc/users/src/Model/Table/UsersTable.php」に作成されます。
ですが、このままではアソシエーション(モデルの結合)ができません。
例えば、ユーザの詳細情報を「user_details」というテーブルに生成し、「users」テーブルと結合しようと思っても「Table class for alias Users could not be found.
」と言うエラーが発生します。
このエラーを解消し、アソシエーション(モデルの結合)をする方法を解説します。
CakeDC/Usersのバリデーションが記載されているファイル
CakeDC/Usersのバリデーションが記載されているファイルは、以下のファイルになります。
/vendor/cakedc/users/src/Model/Table/UsersTable.php
このファイルに記述されているバリデーションの内容を変更することで、バリデーションのカスタマイズを行うことは可能です。
ですが、一般的にはこのファイルはプラグイン「CakeDC/Users」のコアファイルになりますので、このファイルを直接更新することはせず、オーバーライドする処理を構築します。
CakeDC/Usersのバリデーションをオーバーライドでカスタマイズする
1./src/Application.phpの編集
下記のファイルに編集を行います。
/src/Application.php
下記の、configファイルとして「/config/users.php」を利用する処理を記述します。
1 2 3 4 5 |
// CakeDC/Usersのプラグインのロード $this->addPlugin(\CakeDC\Users\Plugin::class); // CakeDC/Usersの設定ファイル読み込み Configure::write('Users.config', ['users']); |
すでに Usersプラグインのロード処理を記述(2行目)している場合は、5行目のみ追記します。
これは、「CakePHP4のCakeDC/Usersのログイン時のリダイレクトとユーザ権限管理の設定解説」の記事で、リダイレクトの処理の設定をする際にも記述しますので、リダイレクトなどほかの設定ですでに記述している場合もあるかと思います。
2.users.phpの編集
下記のファイルに編集を行います。該当のファイルがない場合は、新規作成をします。
/config/users.php
下記の値を編集します。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 |
<?php use Cake\Core\Configure; use Cake\Routing\Router; $config = [ 'Users' => [ 'table' => 'Users', ], ]; return $config; |
標準設定は、「/vendor/cakedc/users/config/users.php」に下記の様に記載されています。
1 2 3 4 5 |
$config = [ 'Users' => [ //Table used to manage users 'table' => 'CakeDC/Users.Users', : |
「/config/users.php」は、「CakePHP3のCakeDC/UsersのUserHelperでログアウトやreCAPTCHAをカスタマイズ」で解説をした reCAPTCHAでも利用しますので、すでに設定がある場合もあるでしょう。
3.Model/Entity/User.phpの編集
下記のファイルに編集を行います。該当のファイルがない場合は、新規作成をします。
/src/Model/Entity/User.php
下記の処理を編集します。
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<?php namespace App\Model\Entity; use CakeDC\Users\Model\Entity\User as UserParent; use Cake\Core\Configure; use Cake\I18n\Time; use Cake\ORM\Entity; use Cake\Utility\Text; use DateTime; class User extends UserParent { } |
この内容は、プラグインの Entity「/vendor/cakedc/users/src/Model/Entity/User.php」の内容を流用しています。
4.Model/Table/UsersTable.phpの編集
下記のファイルに編集を行います。該当のファイルがない場合は、新規作成をします。
/src/Model/Table/UsersTable.php
そして、ようやく、バリデーションの処理を記載します。
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<?php namespace App\Model\Table; use CakeDC\Users\Model\Table\UsersTable as UsersTableParent; use Cake\ORM\Query; use Cake\ORM\RulesChecker; use Cake\ORM\Table; use Cake\Utility\Hash; use Cake\Validation\Validator; /** * Users Model */ class UsersTable extends UsersTableParent { public function validationDefault(Validator $validator): Validator { $validator ->allowEmptyString('id', null, 'create'); $validator ->requirePresence('username', 'create') ->notEmptyString('username'); $validator ->requirePresence('password', 'create') ->notEmptyString('password'); $validator // ->allowEmptyString('first_name'); ->notEmptyString('first_name'); $validator ->allowEmptyString('last_name'); $validator ->allowEmptyString('token'); $validator ->add('token_expires', 'valid', ['rule' => 'datetime']) ->allowEmptyDateTime('token_expires'); $validator ->allowEmptyString('api_token'); $validator ->add('activation_date', 'valid', ['rule' => 'datetime']) ->allowEmptyDateTime('activation_date'); $validator ->add('tos_date', 'valid', ['rule' => 'datetime']) ->allowEmptyDateTime('tos_date'); return $validator; } |
17行目以降の「validationDefault()」の内容は、下記のプラグインの標準設定の内容をコピペしてからカスタマイズしています。
/vendor/cakedc/users/src/Model/Table/UsersTable.php
上記の例では、32行目の処理で、「first_name」を必須項目にする、という処理に変更してみています。
これで、プラグインのファイルを触らずに、バリデーションをカスタマイズすることができるようになります。
既存のバリデーションの英語のメッセージを日本語化する
/vendor/cakedc/users/src/Model/Table/UsersTable.php
の「public function buildRules(RulesChecker $rules): RulesChecker
」には
「パスワード」と「パスワード確認用」の入力値が同じかどうかチェック
「ユーザ名」「メールアドレス」がすでに使用されていないかどうかチェック
のバリデーションも含まれています。
これもバリデーションとして使われていますが、エラーのときのメッセージが英語で表示されます。
この英語のメッセージを変更する方法の一つとして、
/src/Model/Table/UsersTable.php
に、下記の関数部分のソースコードをコピペして、エラーメッセージ部分の「Username already exists」を日本語に変えることで対応することができます。
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public function buildRules(RulesChecker $rules) { $rules->add($rules->isUnique(['username']), '_isUnique', [ 'errorField' => 'username', 'message' => __d('CakeDC/Users', 'Username already exists') ]); if ($this->isValidateEmail) { $rules->add($rules->isUnique(['email']), '_isUnique', [ 'errorField' => 'email', 'message' => __d('CakeDC/Users', 'Email already exists') ]); } return $rules; } |
CakePHP4のメッセージ日本語化の設定(国際化と地域化の機能の使い方の解説)
また、上記の記事では、CakePHP4全体のメッセージを日本語化する方法について記載をしています。
あわせて参考にしてください。
Usersテーブルへの接続方法
今回のこの記事の「2.users.phpの編集」から「4.Model/Table/UsersTable.phpの編集」の対応を行うことで、
/src/Model/Entity/User.php
/src/Model/Table/UsersTable.php
のファイルを使う設定、および、それぞれのファイルの作成を行いました。
これによって、Usersテーブルをアソシエーション(モデルの結合)して使うことができる様になります。
この設定がないと、上記の画面のようにエラーとなります。
「Table class for alias Users could not be found.
」
「Cake\ORM\Exception\MissingTableClassException
」
このエラーが発生したときは、「/src/Model/Entity/User.php」「/src/Model/Table/UsersTable.php」を使える様にするために、「2」から「4」の対応を行ってください。
CakePHP4のCakeDC/Usersの関連記事
CakePHP4の CakeDC/Usersを使うために、基本となるインストールの方法から入力画面のテンプレートのカスタマイズや、リダイレクトの設定など、CakeDC/Usersに関する記事を下記に書いています。
あわせて参考にしてみてください。
CakePHP4のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説
CakePHP4のCakeDC/Usersの画面、メール本文テンプレートのカスタマイズ方法解説
CakePHP4のCakeDC/Usersのログイン時のリダイレクトとユーザ権限管理の設定解説
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