エス技研

WordPress、CakePHP、PHP、baserCMSなどの Web系システムを中心に情報を提供します!


CakePHP3でassociatedを使って関連データをまとめて保存する方法(hasOne、hasMany、belongsTo)

      2017/10/28

CakePHP3でassociatedを使って関連データをまとめて保存

 

関連データの想定イメージ

 
 EntryDatas ─┬─ JobDatas1
        ├─ JobDatas2
        └─ JobDatas3
 
求人情報サイトで、1回のエントリー(EntryDatas)で複数の求人(JobDatas)に応募するようなことを想定していまして、1つのエントリーに関連付けて、複数の求人情報もまとめて保存する方法を解説します。
 
 

想定のテーブルイメージ

 
テーブル名は「entry_datas」「job_datas」で、それぞれ以下のような構造を想定しています。
 

 
このテーブルを基にして、「bake all」で各種ファイルを生成したものをベースにします。
 
 

モデルのテーブルファイルの変更

 
まず、モデルのテーブルファイルを修正します。
対象ファイルは「EntryDatasTable.php」です。
 

 
bakeをしただけでは、「EntryDatasTable.php」ファイルには、テーブルの連携(アソシエーション)の情報が記載されませんので、上記の通り、「hasMany」の記述を追加します。
この際、連携先の「JobDatas」のテーブル名の指定は、「JobDatas」でも「job_datas」のどちらでも動きます。
が、規約に則った記述方法は「JobDatas」であろうと思います。
 
 


 

テンプレートファイルの生成

 
続いて、入力のフォームを生成します。
対象ファイルは、「EntryDatas」側の「add.ctp」です。
 

 
「EntryDatas」側の入力フォームは変更しません。
「JobDatas」側の入力フォームを追加します。その際、「job_datas」のテーブル名を指定して記載します。
また、入力エリアを複数設ける場合は「0」「1」...と連番を振っていきます。
 
この際、テーブル名を追記するのは、「JobDatas」側だけです。
 
テーブル名を明記するため、「EntryDatas」側にも書いた方がいいような気もするのですが、「entry_datas.title」のように記述してしまうと、正しく保存されなくなります。
(記述してしまうと、save()関数を実行しても、エラーログは出力されず、falseの処理となるため、原因がよく分からず悩むことになります。)
 
 

コントローラーの変更

 
コントローラーの更新を行います。
対象ファイルは「EntryDatasController.php」です。
 

 
変更箇所は、3行目の一番後ろに「, ['associated' => ['JobDatas']]」を追加するところです。
 
この記述の「JobDatas」の部分は、テーブルファイルに追記した「hasMany」で記述したテーブル名を指定します。
「JobDatas」なのか「job_datas」なのか、テーブルファイルと同じものを指定します。同じではない場合はエラーとなります。
 
 

CakePHP2の情報で CakePHP3でもそうなのか未確認の情報

 
下記の CakePHP2のマニュアルには、いくつか興味深い内容が記述されています。
 

CakePHP は1度に複数のモデルの バリデーションとデータ保存をしてくれる saveAssociated() という 便利なメソッドを提供しています。 また、 saveAssociated() はデータベースの整合性を確保するために トランザクションの機能もサポートしています。 (つまり、あるモデルがデータ保存に失敗した場合は、他のモデルのデータも保存されません)

https://book.cakephp.org/2.0/ja/models/saving-your-data.html#hasone-hasmany-belongsto より抜粋
 
つまりは、この「saveAssociated()」の処理を利用して保存することで、保存時に不具合が発生しても、一部のレコードだけが保存されて整合性が無くなるということはない、ということです。
 
おそらく、CakePHP3にもこの機能があるのだと思いますが、CakePHP3のマニュアルにはそのような明記がなく、具体的な検証は行っていません。
どなたかわかりますでしょうか?
 
また、このようなトランザクション処理を正常に処理するため、MySQLの場合は、データベースのエンジンは「InnoDB」の必要があるようです。
「MyISAM」はトランザクション処理をサポートしていないためです。
 
もし、データの保存がうまくいかない場合は、データベースのエンジンが「MyISAM」でないかを確認することも必要かもしれません。
 
 

CakePHP3の関連記事

CakePHP4のCSS、JavaScript、画像のブラウザへのキャッシュをコントロールする
CakePHP3でレコードを保存(追加、更新、Insert、Update)する複数の方法を紹介
CakePHP3でモデルなしフォームからCSVをアップロードしレコードを更新する方法解説
CakePHP3でPHP Simple HTML DOM Parserを使ってスクレイピングする方法
CakePHP3のInsert On Duplicate Key Update(upsert)構文を解説・バルク処理も
CakePHP3の1対多での連携を中間テーブルを使った多対多の連携に変更するときの手順
CakePHP3でデフォルトのソート条件を設定してユーザの選択肢たソート条件を有効にする方法
CakePHP3で Ajaxを使う方法の解説。3.6以降対応。Successとthenの両方を解説。
CakePHP3でパンくずの指定は HTMLヘルパーを使って指定する方法を解説
CakePHP3にOGPをfetch、asignを利用してテンプレートごとに指定する方法を解説
 
その他の「CakePHP3」に関する記事一覧
 
 

 - CakePHP 3.x 4.x 5.x

GoogleAdwords

GoogleAdwords

最後までお読みいただきましてありがとうございます。
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

下記の空欄を埋めてください。 * Time limit is exhausted. Please reload CAPTCHA.

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)

※入力いただいたコメントは管理者の承認後に掲載されます。

  関連記事

VirtualBoxにCakePHP3を設置。必要なCentOS、Apache、PHP、MySQL、Composerをインストールし設定する。
VirtualBoxにCakePHP3を設置。必要なCentOS、Apache、PHP、MySQL、Composerをインストールし設定する

VirtualBoxにCentOS、Apache、MySQL、PHPをインストールするところから初めてCakePHP3の開発環境を構築する手順を詳細解説。この記事1つで全ての設定が完了する。

CakePHP4のメッセージ日本語化の設定(国際化と地域化の機能の使い方の解説)
CakePHP4、CakePHP5のメッセージ日本語化の設定(国際化と地域化の機能の使い方の解説)

CakePHP4の英語のメッセージを日本語化(多言語化)する手順を解説。オリジナルのメッセージを作成する方法やプログラムで文言を追加する場合の対応なども解説。

CakePHPのバリデーションを入力値・項目の条件によって変える方法を解説
CakePHPのバリデーションを入力値・項目の条件によって変える方法を解説

入力された値によってバリデーション(入力チェック)の内容を切り替える。その処理をCakePHPで実装する方法を解説。条件ごとに unset関数を使ってバリデーションを削除する、という方法を採る。

CakePHP3でWarning Error: SplFileInfo::openFile()エラーが発生した場合の対処方法
CakePHP3でWarning Error: SplFileInfo::openFile()エラーが発生した場合の対処方法

CakePHP3のキャッシュファイルのパーミッションエラー Error: SplFileInfo::openFile()が発生した場合の対応方法解説。app.phpにキャッシュファイルのパーミッション設定を行い、既存のファイルは削除。

CakePHP3で画像・ファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その2
CakePHP3で画像・ファイルのアップロード処理を自作・解説付き・その2

ファイルのアップロード機能の自作サンプルコードとその解説のその2。アップロード機能に関連するファイルの更新や削除の処理や画像、フォルダのパスの指定方法などを含めて解説。

CakePHP3のユーザ管理・認証プラグイン CakeDC/Usersの導入・機能解説・3.1.5対応
CakePHP3のユーザ管理・ログイン認証プラグインCakeDC/Usersのインストール解説・3.6以降対応

CakePHP3のユーザ管理プラグイン Usersは、ユーザ登録、メール認証、ログイン認証、ユーザ管理、権限管理、reCAPTCHAなど会員制のサイトを簡単に実現可能。その導入方法、カスタマイズ方法を解説。

CakePHP4のフラッシュメッセージの表示場所、デザインを変更する方法を解説
CakePHP4のフラッシュメッセージの表示場所、デザインを変更する方法を解説

CakePHP4のエラーメッセージ、完了メッセージなどを表示するフラッシュ処理の解説。Controller、レイアウトファイル、テンプレートファイルでそれぞれ処理を指定する。

CakePHP 2.3で saveの便利な使い方・サンプルソース付き

CakePHPのレコードを保存、更新する際に使う Saveを詳細解説します。

CakePHP3のアソシエーション機能を使い関連レコードをまとめて削除

CakePHP3でレコードを削除する際に関連するレコードをまとめて削除する機能の解説。フレームワークのメリットを存分に発揮し、コマンドを1行追加するだけで実装可能。

CakePHP 2.3 Search Pluginで検索処理 その2表示件数を動的に変える方法

CakePHPの検索プラグイン Search Pluginの検索処理の中で動的に表示件数を変える方法です。