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CakePHP4で「app_local.php」「.env」を利用して環境ごとの定数を振り分ける方法

      2023/12/28

CakePHP4で「app_local.php」「.env」を利用して定数を定義する方法

 
CakePHP4では、
 「app_local.php」ファイル
 「.env」ファイル
にて定数を定義することができるようになっています。
 
この記事では、「app_local.php」「.env」で定数を定義する方法、呼び出す方法の解説をします。
 
 
ちなみに、「app_local.php」「.env」のいずれも、Gitでの管理対象にはしない設定になっています。
 
 
また、「CakePHP4の定数定義ファイルを環境変数によって本番と開発を振り分ける方法解説」では、定数を定義したファイルを「環境変数」を使用して「本番環境」と「開発環境」を振り分ける方法を解説していますので、併せて参考にしてください。
 
 

「app_local.php」を利用して定数を定義する方法

 
CakePHP4では、環境ごとに異なる定数を定義する「/config/app_local.php」と言うファイルが用意されています。
 
「app_local.php」ファイルには
 デバッグモードの設定
 salt
 データベースの接続情報
 SMTPの接続情報
が記載されています。
 
これらの情報は、CakePHP3の頃には「app.php」に記述していましたが、開発環境と本番環境とで異なる情報となりますので、CakePHP4では「app.php」と分けて管理することになっています。
 
(CakePHP3、CakePHP4をインストールし、DB接続情報などの設定する方法の解説などは「CakePHP3、CakePHP4、CakePHP5のバージョンを指定してインストールする詳細な手順を解説」を参照してください。)
 
 
ここでは、その「/config/app_local.php」ファイルに開発者が独自に設定する定数を記載して管理する方法を解説します。
 
 
定数を別ファイルに指定して管理する方法については「CakePHP4で定数の設定と呼び出し方法の解説(defineとConfigure)」に詳しく記載しています。
その内容を理解している前提で話を進めさせていただきます。
 
 

「/config/app_local.php」ファイルに定数を定義する

 
まず、「/config/app_local.php」に記載する内容です。
 

 
上記の 10行目~31行目が追加した記述になります。
 
それぞれ、定数を指定する方法、配列を指定する方法、定数を「AppLocalConst」というひとまとめの定数で指定する方法などがあります。
 
 

「/config/app_local.php」に定義した定数を呼び出す

 
続けて、「/config/app_local.php」に記述した定数を呼び出す方法です。
 
「/config/app_local.php」に記載した定数を取得する場合は「Configure::read()」を使用します。
 
下記は、定数を使用する Controllerに「initialize()」を追加してそこで呼び出す記述をしています。
 
Controller全体ではなく、特定の Actionのみで使用する場合は、Actionの中に同様の記述をしてください。
 

 
ちなみに、『配列「AppLocalTest02」内の「test01」を呼び出す』の「その2」の記述方法はむりやり感がありますが、「Configure::read("AppLocalTest02")」の部分で配列を取得していますので、こんな記述方法も可能ではあります。
 
 

「.env」を利用して定数を定義する方法

 
「/config/.env」ファイルを使用して定数を指定する方法を解説します。
 
 

「.env」ファイルの使用できるようにする

 
デフォルトの設定では「.env」の内容を読み込める様になっていませんので、「.env」ファイルを使用できるようにします。
 
/config/bootstrap.php
の 63~69行目の下記の部分のコメント処理を外します。
 

 
 

「.env」ファイルの生成する

 
続けて「.env」ファイルを生成します。
 
CakePHP4では「/config/.env」ファイルはデフォルトでは用意されていませんので、「/config/.env.example」をコピペして「.env」ファイルを作成します。
 
また、「/config/.env」ファイルの 16~21行目の設定は不要ですので、コメントにしておきます。
「.env」ファイルでコメントにする場合は、行頭に「#」を記述します。
 
 
「.env」ファイルに定数を定義する場合は、下記の様に「export」に続けて定義を記述します
 

 
ちなみに、「.env」ファイルで設定できる定数は「文字列のみ」です。
そのため、配列を指定したい場合は、擬似的な対応となります。
 
 

「/config/.env」に定義した定数を呼び出す

 
「.env」ファイルに設定した定数を呼び出す場合は「env()」関数を使用します。
「env()」関数で呼び出す方法は、Controllerでも View(テンプレートファイル内)でも同じ記述で使用できます。
 

 
また、「.env」ファイルに擬似的な配列を指定した場合は、上記のように「explode()」関数にて文字列を配列に分割して使用します。
(文字列の中に「,」がある場合は、「,」以外の区切り文字を使うといいでしょう。)
 
 
また、「.env」ファイルで定義した定数を、「env()」を使わずに定数として呼び出したい場合は、「/config/bootstrap.php」ファイルに下記の様に改めて定数として定義し直す方法があります。
 

 
また、定数を別ファイルで定義する方法については「CakePHP4で定数の設定と呼び出し方法の解説(defineとConfigure)」に記事を書いていますので参考にしてください。
 
 

CakePHP4では「app_local.php」と「.env」のどちらを使う方がいい?

 
CakePHP4で定数を管理する場合
 「/config/app_local.php」
 「.env」
のどちらで定数を定義する方がいいか?
についてですが、「/config/app_local.php」の方がいいのであろうと思います。
 
そもそも、CakePHP4のデフォルトでは「.env」は用意されていませんし(「.env.example」は用意されていますが)、必要な処理はコメントアウトされており使用できるようになっていません。
 
CakePHP4の「.env」は、CakePHP3や他のフレームワークで「.env」ファイルを使用していた方に対して、CakePHP4でも同じ様な使用感で定数を定義するためのオプションなのだと考えています。
 
また、「.env」では配列を定義することができないために使い勝手がいいとは言えず、その点も含めて、「.env」より「app_local.php」を使う方がいいのだろうと思います。
 
ただ、「.env」は「.」で始まるファイルのため、セキュリティの点でちょっとだけ有利なのかも知れません。
 
 
ちなみに、「app_local.php」と「.env」は、基本的に Gitでは管理しないファイルとなっています。
理由は、データベースの接続情報やメールサーバへの接続情報などの機密情報を記載するファイルとなるためです。
 
そのため、この記事では「app_local.php」や「.env」で定数を管理する方法を紹介してはいるものの、開発者が独自に定義する定数は「app_local.php」「.env」には記載しない方がいいのだろうと思います。
 
環境ごとで変わる定数を管理する方法としては、「CakePHP4の定数定義ファイルを環境変数によって本番と開発を振り分ける方法解説」に書いている「環境変数」で定数を振り分ける方法をオススメします。
 
 

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