CakePHP3のタイムゾーンを協定世界時UTCから日本標準時間JSTにずれを変更する方法
2018/05/13
CakePHP3でタイムゾーンを指定する手順の解説
CakePHP3の定義ファイルに記載してある「タイムゾーン」の設定は、標準設定では「UTC」になっています。
これを日本時間に設定を変更します。
ちなみに、「UTC」は「協定世界時」と呼ばれる世界の標準時刻で、かつて広く使われていました「グリニッジ標準時(GMT)」から置き換えられたものです。
また、日本の標準時は「JST」と表現します。
CakePHP3でタイムゾーンの設定をする前に MySQLの設定を確認する
「CakePHP3でタイムゾーンを設定する手順」として開設を行いますが、まず最初に、下記の記事に従って、MySQL側でタイムゾーンの設定がされているか、確認をしてください。
MySQLのタイムゾーン(mysql_tzinfo_to_sql)の設定方法・XAMPP環境の解説も
この MySQLのタイムゾーンの設定ができていない場合は、下記のエラーメッセージが表示されるためです。
1 |
Error: SQLSTATE[HY000]: General error: 1298 Unknown or incorrect time zone: 'Asia/Tokyo' |
ローカル環境でエラーが出ても問題ない場合は、次項の CakePHP3の設定を先に行っても問題ありませんが、本番環境などでエラーが発生することを避けたい場合は、先に MySQLの設定を行ってください。
CakePHP3の定義ファイルの設定
CakePHP3のタイムゾーンの変更は、設定ファイルである、app.php、bootstrap.phpの 2ファイルの設定情報を変更します。
/config/app.phpの値の変更
/config/app.php の「Datasources」にある「timezone」の値を変更します。
デフォルトでは「UTC」になっていますので、これを「Asia/Tokyo」もしくは「+09:00」にします。
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 |
'Datasources' => [ 'default' => [ 'className' => 'Cake\Database\Connection', 'driver' => 'Cake\Database\Driver\Mysql', 'persistent' => false, 'host' => 'localhost', 'username' => 'root', 'password' => 'pass', 'database' => 'cake3', 'encoding' => 'utf8', // 'timezone' => 'UTC', 'timezone' => 'Asia/Tokyo', 'flags' => [], 'cacheMetadata' => true, 'log' => false, |
CakePHP3.4 の場合は /config/bootstrap.phpの値を変更
続けて、/config/bootstrap.php の「date_default_timezone_set」の値を変更します。
こちらもデフォルトでは「UTC」になっていますので、これを「Asia/Tokyo」にします。
1 2 3 4 5 6 |
/* * Set server timezone to UTC. You can change it to another timezone of your * choice but using UTC makes time calculations / conversions easier. */ // date_default_timezone_set('UTC'); date_default_timezone_set('Asia/Tokyo'); |
CakePHP3.6 の場合は /config/app.phpの値を変更
CakePHP3.6の場合は、/config/app.php の「APP_DEFAULT_TIMEZONE」の値を変更します。
こちらもデフォルトでは「UTC」になっていますので、これを「Asia/Tokyo」にします。
1 2 3 4 5 6 |
'App' => [ 'namespace' => 'App', 'encoding' => env('APP_ENCODING', 'UTF-8'), 'defaultLocale' => env('APP_DEFAULT_LOCALE', 'en_US'), // 'defaultTimezone' => env('APP_DEFAULT_TIMEZONE', 'UTC'), 'defaultTimezone' => env('APP_DEFAULT_TIMEZONE', 'Asia/Tokyo'), |
変更されたことの確認
わざわざ記載するほどのことでもないですが、設定した内容が正しく変更されたことを確認するために、適当なテンプレートファイル「index.ctp」などに下記の日時を表示する処理を追記して、確認を行ってください。
1 2 3 |
<div> <?php echo date("Y/m/d H:i:s"); ?> </div> |
php.iniのタイムゾーンの設定
CakePHP3の設定を行うことで、この「php.ini」の設定を行っていなくても日本時間の表示はできますが、CakePHPを使わない PHPのプログラムで日本時間になっていないということが発生する場合もありますので、予防措置として、php.iniの設定箇所についてもご紹介しておきます。
php.iniの場所は、標準設定の場合はそれぞれ下記になります。
Linuxの場合 /etc/php.ini
XAMPPの場合 c:\xampp\php\php.ini
下記の通り、「date.timezone」を検索し、「Asia/Tokyo」を設定します。
1 2 3 4 5 |
[Date] ; Defines the default timezone used by the date functions ; http://php.net/date.timezone ;date.timezone = date.timezone = Asia/Tokyo |
私の環境の XAMPPの php.iniでは「date.timezone」の記述が 2ヵ所にありました。
複数個所ないか、確認しておく方がいいでしょう。
また、php.iniの設定変更を反映させるために、Apacheを再起動することを忘れずに実行しましょう。
CakePHP3の関連記事
CakePHP4のCSS、JavaScript、画像のブラウザへのキャッシュをコントロールするCakePHP3でレコードを保存(追加、更新、Insert、Update)する複数の方法を紹介
CakePHP3でモデルなしフォームからCSVをアップロードしレコードを更新する方法解説
CakePHP3でPHP Simple HTML DOM Parserを使ってスクレイピングする方法
CakePHP3のInsert On Duplicate Key Update(upsert)構文を解説・バルク処理も
CakePHP3の1対多での連携を中間テーブルを使った多対多の連携に変更するときの手順
CakePHP3でデフォルトのソート条件を設定してユーザの選択肢たソート条件を有効にする方法
CakePHP3で Ajaxを使う方法の解説。3.6以降対応。Successとthenの両方を解説。
CakePHP3でパンくずの指定は HTMLヘルパーを使って指定する方法を解説
CakePHP3にOGPをfetch、asignを利用してテンプレートごとに指定する方法を解説
その他の「CakePHP3」に関する記事一覧
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
CakePHP4、5の認証処理で認証が通らない際の確認方法と確認箇所の紹介
CakePHP4、5系の認証処理でログイン認証が通らない場合の確認方法、確認箇所を解説。ログ出力し、ステータスを確認するが、ステータスの内容も紹介。それはそのままusernameを変更する際のポイントでもある。
-
-
CakePHP3にWYSIWYGエディタのCKEditor4を設置、カスタマイズ方法を解説
WYSIWYGエディタであるCKEditor4をCDNを利用して簡単にCakePHP3に導入する方法とカスタマイズする方法を解説。CakePHP3にはページごとの振り分けを行うブロック化を利用する。
-
-
CakePHP3でDocumentRootやtmp、webroot、logsなどのフォルダへのパスの定数
CakePHP3で特定フォルダのパスの定数を解説。root、DocumentRoot、app、config、webroot、tests、tmp、cache、vendor、コア、コアの srcが設定済み。realpath()関数を使うと柔軟なパス指定が可能。
-
-
CakePHP3で /Layout/defult.ctpにある titleタグ、h1タグを編集する方法
CakePHP3でtitleタグ、h1タグのテキストをデフォルトから変更する方法を解説。テンプレートファイルに「$this->assign()」でテキストを指定して「/Layout/defult.ctp」で受け取る。
-
-
CakePHP3でQRコードを作成、表示するライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」
CakePHPでQRコードを生成するライブラリ「cakePHP-QR-Code-Helper」の紹介。GDライブラリのインストールも必要ないHelperとして提供されているため、ファイルを設置すればすぐに使用可能。
-
-
CakePHP3でページごとに読み込むJavaScript、CSSを変える処理の解説
CakePHP3でJavaScriptやCSSを編集する基本形から、それらやテンプレート(エレメント)を特定のテンプレートを読み込んだときのみ編集、実行するための方法、ブロック化について解説。
-
-
CakePHP4、CakePHP5系の認証処理でログインの有無の確認、ユーザ情報の取得の方法
CakePHP4系、5系のログイン認証の可否のチェック、および、ログインユーザの情報を取得する方法のまとめ。複数の方法があるが手続きが微妙に異なるためまとめてみた。
-
-
CakePHP3のアソシエーションでJOINのタイプのLEFT、INNERを切り替えながら使う方法
CakePHP3でテーブルのアソシエーションしたデータの取得をコントローラー側でINNERかLEFTを指定する方法を解説。TableファイルにINNERで指定していてもController側で変更ができる。
-
-
CakePHP4の数値項目は「like %10%」の部分一致検索(find select)はできない
CakePHP4でテーブルの数値項目に対してlike句を使用した部分一致検索を実行するとエラーが発生する。クリエービルダーの不具合だと思われ対処方法が分からない。
-
-
MySQL、CakePHP 2.3で「tinyint(1)」の Boolean型の動作を再確認
MySQL+CakePHPの環境で「tinyint(1)」を利用する際の動作を検証。「tinyint(1)」の Boolean型について CakePHPでは自動処理が実施されていることを確認しました。