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CakePHP4の規約外のカラムをキーにアソシエーション(テーブル連結)する方法

      2024/06/21

CakePHPの規約外のカラムをキーにアソシエーション(テーブル連結)する方法

 
CakePHP4で CakePHPの規定から外れることでデフォルトではアソシエーション(テーブルの関連付け)されないカラム(項目)をキーとしてアソシエーションする方法を解説します。
 
 

前提:存在するテーブルのイメージ

 
解説する環境には下記の 3つのテーブルがあるとします。
 

 
 

Bakeで自動生成されるアソシエーション

 
これらのテーブルに対して、CakePHPの Bakeを使用して「company_details」の Modelを生成してみます。
「company_details.company_id」は、CakePHPの規約に従ってカラム名が指定されていますので、デフォルトでカラム「company_details.company_id」をキーとしてテーブル「companies」とアソシエーション(連結)する処理が生成されます。
 
具体的には、「/src/Model/Table/CompanyDetailsTable.php」に下記の記述が生成されますが、11~14行目がそれにあたります。
 

 
 

「created_user_id」「modified_user_id」をキーに「Users」とアソシエーションする

 
「created_user_id」「modified_user_id」は、各テーブルのレコードを登録、更新した際に、それを実行したユーザの IDを保存するカラムで、カラム「users.id」の情報が入っています。
そのため、「created_user_id」「modified_user_id」をテーブル「Users」とアソシエーションしたいと思いますが、CakePHPの規定に則っていないカラム名ですので、自動的にはアソシエーションの処理はしてくれません。
 
では、「created_user_id」「modified_user_id」をテーブル「Users」とアソシエーション(関連付け)するにはどうすればいいでしょうか?
と言う対応をしていきます。
 
 
「created_user_id」「modified_user_id」はすべてのテーブルにありますので、どのテーブルでもいいのですが、「company_details」への対応をサンプルとします。
 
 

Modelにアソシエーションの情報を記述

 
まず初めに、「/src/Model/Table/CompanyDetailsTable.php」に下記の記述を追記します。
先に紹介した 14行目に続けて追記するといいでしょう。
 

 
 

アソシエーション情報の各項目の解説

 
$this->hasOne('ModifiedUser', [」の「ModifiedUser」はアソシエーションの名称です。
この名称を使用して Controllerで containします。
記述はアッパーキャメルケース(最初の文字も大文字のキャメルケース)です。
また、後述しますがここの名称は単数形の単語をした方がよさそうです。
 
「className」は、アソシエーションする先の Model名です。
 
「foreignKey」は、アソシエーションする先のカラム名です。「ID」で連結することが多いと思いますが、「foreignKey」を指定する事で「ID」以外も連結できます。
(未検証ですが、複数のキーを指定する方法もあるようです。)
 
「bindingKey」は、アソシエーション元のカラム名です。
 
「joinType」は、アソシエーションのタイプで「LEFT」と「INNER」があります。デフォルトは「LEFT」。
 
 

「joinType」の「LEFT」と「INNER」について

 
「joinType」は、連結するレコードがない場合にどう処理するのか、を指定する区分です。
「LEFT」は、連結先のレコードがない場合は「null」の値を持つレコードがあるものとして処理をします。
「INNER」は、連結先のレコードがない場合は連結元のレコードもないものとして処理します。
 
今回のように「company_details」から「companies」の情報を見に行く場合は、「companies」がない状況は存在しないので、「INNER」でも問題は起こらないでしょう。
 
ですが、「companies」から「company_details」の情報を見る場合、「company_details」のレコードは存在しない場合もあるかもしれません。
この時「joinType」に「INNER」を指定していると、「companies」のレコードもないものとして取得することができません。
 
 

Controllerにアソシエーションを読み込む情報を記述

次に、Controllerの対応です。

今回はサンプルとして「view」アクションに追加する処理です。
「/src/Controller/CompanyDetailsController.php」ファイルの「view」アクションに下記の処理を追記します。
 
Bakeするとデフォルトでは「contain句」には「Companies」が記述されていますが、これに、「Model」に追記したアソシエーション名を追記します。
 
 

 
 

Viewテンプレートに値を取得する処理を記述

 
最後に viewテンプレートでの対応です。
「/templates/CompanyDetails/view.php」に記述します。
 
viewテンプレートでは「$companyDetail->created_user」で取得することができます。
「created_user」は、Modelに記述したアソシエーション名をスネークケース(アンダースコアで単語をつなぐ記述方法)で記述します。
 
$companyDetail->created_user」には、「Users」の情報がオブジェクトとして取得していますので、必要に応じて値を取得します。
 
 

 
 

Viewテンプレートで呼び出す際の注意点

 
「created_user_id」では問題は発生しませんが、カラム名によっては Viewテンプレートで値を取得した際にエラーが発生する場合があります。
 
具体的には「user_sales_id」の「sales」のように最後が「s」で終わる単語を使う場合は気を付けましょう。
 
 
例えば、先のテーブル「company_details」に「user_sales_id(担当営業)」と言う項目があり、これにアソシエーションの設定をするとします。
この場合、モデルの「/src/Model/Table/CompanyDetailsTable.php」には下記のように記述するとします。
カラム名が「user_sales_id」ですのでアソシエーション名は「UserSales」とします。
 

 
 
「/src/Controller/CompanyDetailsController.php」ファイルの「view」アクションの「contain句」には「UserSales」を追記します。
ここまでは、先に紹介した方法と何も違いがありません。
 

 
 
そして、Viewテンプレート「/templates/CompanyDetails/view.php」では「user_sale」で取得します!!
 

 
ここが非常に重要なポイントです。
モデルで指定したアソシエーション名は「UserSales」ですので、Viewテンプレートで取得する際は「user_sales」だと思ってしまいますが、なんと「user_sale」なのです!!
 
「営業」と言う意味で「sales」を使っているので「UserSales」の「Sales」を複数形だという認識は全くないわけなんですが、CakePHPは複数形だと認識して勝手に単数形にしてくれちゃうんです!
 
 
と言うわけで、アソシエーション名は単数形で指定する方が無難です。
ただ、「Sales」と「Sale」では意味が違うので、「UserSales」のように最後が「s」で終わる単語を使用する場合は Viewテンプレートで値を取得する際に注意しましょう。
 
デフォルトとは異なる処理をしているので、Viewテンプレートでエラーが発生しても Modelや Controllerの方の記述のミスじゃないかと思ってそちらばかり見てしまいますが、実は、Viewテンプレートの記述の方だった、ということでなかなか気づけない不具合かと思います。
 
 
最後に。
あわせて、オフィシャルサイトの Cakebookも参照してください。
https://book.cakephp.org/4/ja/orm/associations.html
 
 

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