国際化と地域化の翻訳機能「__()」を使って定数に変数を埋め込む方法
2023/12/28
翻訳機能「__()」を使って定数に変数を埋め込む方法
定数は変更できないからこその「定数」なわけですが、CakePHP4でその定数に変数を埋め込むみ、翻訳機能「__()」を使って変数を処理する方法を紹介します。
(CakePHP4と CakePHP3とでは定数の設定方法が少し異なりますが、CakePHP3でも同じような方法で処理をすることができます。)
「国際化と地域化」の翻訳機能である「__()」を使って定数を変換
「国際化と地域化」の翻訳機能である「__()」を利用して、定数の中の変数を埋め込み、それを処理させる方法です。
|
1 2 3 4 5 |
// 定数の設定 define("TITLE_LIST", "{0}の一覧ページ"); // 翻訳処理 echo __(TITLE_LIST,"東京都"); |
出力は「東京都の一覧ページ」となります。
ちなみに、翻訳機能を使わずに単純に「echo TITLE_LIST;」とすると、定数に指定されたままの「{0}の一覧ページ」が出力されます。
また、「__()」は翻訳機能ですので、「default.po」などの翻訳ファイルを設置している場合は、翻訳させることもできます。
翻訳機能「__()」で変数を複数処理したい場合
また、複数の変数を処理したい場合は「{0}」「{1}」「{2}」のように数値を増やして記載することで対応が可能です。
|
1 2 3 4 5 |
// 定数の設定 define("TITLE_LIST", "{0}・{1}の一覧ページ"); // 翻訳処理 echo __(TITLE_LIST,"東京都","千代田区"); |
出力は「東京都・千代田区の一覧ページ」となります。
CakePHP4の翻訳機能、定数の定義方法についての関連記事
CakePHP4で定数についての記事、および、翻訳に関する記事はそれぞれ下記を参照してください。
CakePHP4のメッセージ日本語化の設定(国際化と地域化の機能の使い方の解説)
CakePHP4、CakePHP5のメッセージ日本語化の設定(国際化と地域化の機能の使い方の解説)
CakePHP4で定数の設定と呼び出し方法の解説(defineとConfigure)
CakePHP4で定数の設定と呼び出し方法の解説(defineとConfigure)
翻訳機能「__()」を使って定数を変換する処理の使いどころ
どういうときに使うか、私の例を参考に紹介します。
例えば、ページタイトルを定数で指定したいとします。
ページタイトルは SEOの対応で重要な要素ですので、定期的に見直しも必要です。
そのため、可能であれば一つの設定ファイルにまとまっている方がメンテナンスの効率がいいため、定数ファイル内に定数として設定したい、と考えたわけです。
そして、ページ構成の中に「都道府県」ごとの一覧画面があるとします。
都道府県ごとに定数を設定する場合
この場合、下記のように都道府県ごとに定数を指定します。
|
1 2 3 4 5 |
// 定数の設定 define("TITLE_LIST_SAITAMA", "埼玉県の一覧ページ"); define("TITLE_LIST_CHIBA", "千葉県の一覧ページ"); define("TITLE_LIST_TOKYO", "東京都の一覧ページ"); define("TITLE_LIST_KANAGAWA", "神奈川県の一覧ページ"); |
そして、都道府県コードを元にしてタイトルを振り分ける処理になるかと思います。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 |
// titleへのアサイン if ($prefecture == 11){ $this->assign("title", TITLE_LIST_SAITAMA); } elseif ($prefecture == 12){ $this->assign("title", TITLE_LIST_CHIBA); } elseif ($prefecture == 13){ $this->assign("title", TITLE_LIST_TOKYO); } elseif ($prefecture == 14){ $this->assign("title", TITLE_LIST_KANAGAWA); } |
ただ、これでは、47県分の定数を設定し、47に分岐する if文(もしくは switch文)を記述する必要があり、まったく効率的ではありません。
翻訳機能を使う場合の定数の設定
そこで、翻訳機能である「__()」を使用します。
これを下記のように翻訳処理を利用することで処理を簡潔にすることができるようになります。
|
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 |
// 都道府県の配列 $prefectureArray = [ 11 => "埼玉県", 12 => "千葉県", 13 => "東京都", 14 => "神奈川県", ]; // 定数の指定 define("TITLE_LIST", "{0}の一覧ページ"); // 翻訳処理、および、titleへのアサイン $this->assign("title", __( TITLE_LIST, $prefectureArray[13] )); |
「定数の指定」は、定数ファイルに記述します。
「翻訳処理、および、titleへのアサイン」は、各 templateファイルに記述します。
また、「titleへのアサイン」の処理で、「= $this->fetch('title') ?>」が記述されている箇所に出力されます。
「= $this->fetch('title') ?>」は、デフォルトでは「/templates/layout/default.php」に記載されています。
CakePHP3のタイトルタグ編集、fetch、asignについての関連記事
主に CakePHP3用の記事ですが、基本的な処理は CakePHP4でも同じですので、titleタグをアサインする方法や、metaタグなどを編集する方法については下記の記事を参照してください。
CakePHP3で /Layout/defult.ctpにある titleタグ、h1タグを編集する方法
CakePHP3で /Layout/defult.ctpにある titleタグ、h1タグを編集する方法
CakePHP3にOGPをfetch、asignを利用してテンプレートごとに指定する方法を解説
CakePHP3にOGPをfetch、asignを利用してテンプレートごとに指定する方法を解説
CakePHP4の関連記事
CakePHP4系でJSONレスポンスの処理ではwithStringBodyを使う。3との違い解説CakePHP4、CakePHP5の「warning: DebugKit is disabling...」の対処方法
MySQL+CakePHPのdate型、datetime型項目は「2999-12-31」までしか扱えない
CakePHP4のFrozenDateで1ヵ月前、先月、今月1日、来月末の日付などを算出する方法
CakePHP4のcake cache clear_allでPermission deniedはパーミッションの変更が必要
CakePHP4のクリエビルダーを使用してOR条件をAND条件でつなぐSQL文を作る方法
CakePHP4のController内でViewテンプレート、レイアウトの変更設定を記述する方法
CakePHP4から外部のデータベースにアクセスする方法解説
CakePHP4の数値項目は「like %10%」の部分一致検索(find select)はできない
CakePHP4でロギングスコープやログレベルを使用してログを出し分ける方法を解説
その他の「CakePHP4」に関する記事一覧
GoogleAdwords
GoogleAdwords
この記事が参考になったと思いましたらソーシャルメディアで共有していただけると嬉しいです!
関連記事
-
-
CakePHP3のForm Helperの使い方のまとめ
CakePHP3になりフォームヘルパーの使い方も大きく変わりましたので、使い方をまとめました。基本的な使い方からプラスアルファの便利な使い方まで紹介。
-
-
CakePHP4で定数の設定と呼び出し方法の解説(defineとConfigure)
CakePHP4で定数を設定、使用する方法を解説。定数定義はdefineとConfigureを使用する方法を解説。また、bootstrap.phpに直接記述する方法と別のファイルにする方法を解説。
-
-
URL短縮サービス「TTTオンライン(https://ttt.onl)」公開
URL短縮サービス「TTTオンライン(https://ttt.onl)」を公開。メールやSNSでは使いにくい長いURLを短いURLに変換するサービス。QRコードも。Google URL Shortenerが2019年3月にサービス終了。
-
-
CakePHP3のOGPはHTMLヘルパーの$this->Html->meta()を使って設定
CakePHP3でOGPを設定する方法を解説。metaタグを編集するHTMLヘルパーを利用してOGPのタグを編集する。また、エレメントとして分割することでメンテナンス性も向上させる。
-
-
CakePHP 2.3でファイルをアップロード・その2 ファイル名を乱数で設定
CakePHPのアップロードするファイル名を乱数で変更しセキュリティを高める方法を解説。
-
-
CakePHP4から外部のデータベースにアクセスする方法解説
CakePHP4のシステムから他のシステムのデータベースにアクセスをし、SQL文を実行する方法を解説。try-catchでエラーを取得する方法も解説。
-
-
CakePHP 2.3 テーブルの項目を演算した結果を条件として抽出する方法
アソシエーション(連携)している先のテーブルの項目で演算をする場合の考え方と注意点をサンプルソースを用いて説明しています。分かってしまえば簡単です。
-
-
CakePHP4で複数の引数(パラメータ)を付与してコマンドを実行する方法
CakePHP4でコマンドを実行する際に引数(パラメータ)をコマンド内で受け取る処理について解説。複数個の引数にも対応する記述方法も解説。
-
-
CakePHP3のcontroller内でテンプレート、レイアウトを変更する際の指定方法
CakePHP3でテンプレートファイルやレイアウトファイルをデフォルトのものから別のものに変更したい場合の指定方法を解説。
-
-
getParam('action')で取得するアクション名は別関数に移動しても不変CakePHP4系、5系では「getParam()」で処理中のアクション名を取得できる。そのアクションから別関数を呼び出してた関数でアクション名を調べたが同一の名称だった。